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【松岡正海騎手】本格化したウイングレイテストとさらなる高みへ──「ウインブライトと遜色ない馬」重賞初制覇までの苦悩に迫る

  • 2024年06月02日(日) 18時01分
今週のFace

▲函館スプリントSでウイングレイテストに騎乗する松岡正海騎手(撮影:下野雄規)


5週連続のGI開催も終わり、来週からは函館競馬が開幕。開幕週の重賞・函館スプリントSには、海外帰りのウイングレイテストも参戦!

19戦連続でコンビを組む“相棒”であり、「ウインブライトがいなくなってからは、この馬と大きいところを勝つことを目標としている」と話す松岡正海騎手に、重賞初制覇までの苦悩や普段の性格などについて伺いました。

(取材・文:小野響介)

6歳秋に重賞初制覇「畠山先生と試行錯誤しながらやってきた」


──前走の1351ターフスプリントは4着でした。初めての海外遠征でしたが、振り返ってください。

松岡 適性があると思ってオーナーサイドと相談して参戦しようと決めました。もちろん勝つつもりで遠征したし、馬の状態も良かったけど、結果としては残念でした。

──レースは好位で運び、しぶとい脚を使ったものの、ゴール前で伸びきれませんでした。

松岡 他にとても速い馬がいてハイペースになりました。もう少しゆったり流れると思ったけど、想定していたよりも速くなってしまった。そこが誤算でしたね。

──初の海外遠征でしたが、ウイングレイテストの様子はどうでしたか。

松岡 雰囲気はとても良かったです。調子も良かったし、能力を出せる仕上がりだったと思います。それだけに結果を出したかったです。

──日本のレースでは3走前のスワンSで重賞初制覇を達成しました。2番手からレースを運び、ゴール前で抜け出しました。

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▲6歳秋、通算32戦目での重賞初制覇となったウイングレイテスト(C)netkeiba


松岡 行こうと思っていたけど、行かせてもらえずに中途半端な形になってしまった。僕自身がうまく乗れなかったけど、馬の能力で勝たせてもらいました。

──久しぶりの1400m戦で重賞Vとなりました。

松岡 マイル戦で詰めの甘さを感じていたので、距離を短縮することになりました。条件も合っていたと思います。

──松岡騎手は早い段階からウイングレイテストを高く評価していました。初めて乗った時の印象を教えてください。

松岡 ウインブライトと遜色はないという感じはありました。シンプルに能力が高いと思いましたね。いい背中をしているし、重賞を勝てると思いました。


──デビュー3戦目のデイリー杯2歳Sで2着となり、素質の片鱗を見せたものの、その後は勝てないレースが続きました。6歳で念願の重賞制覇を達成しましたが、スワンSを勝ったときはどんな気持ちでしたか。

松岡 重賞を勝たなければならないと思っていた馬だけど、なかなか勝てなかったし、自分が情けないと思っていましたからね。それだけにホッとしました。

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▲「重賞を勝たなければならないと思っていた馬。それだけにホッとしました」(C)netkeiba


──今年で7歳になります。年齢を重ねての変化はありますか。

松岡 最初からとてもレベルの高かった馬だが、ウィークポイントがあって、そこを改善できたらいいなと思いながら付き合ってきました。その部分が最近の1、2年でようやく良くなり、力を出せるようになりました。

──どんなところがウィークポイントでしたか?

松岡 乗った感触だけに伝えづらいところはあるけど、簡単に説明するなら、弱いところがあってフォームがバラバラになってしまう時期がありました。ただ、能力があるので、追い切りでは動いてしまう。どれだけ攻めるのがいいのか。やり過ぎても良くないし、全体のバランスを取らなければならないので、その加減が難しく、苦労したところはありましたね。

──今はどうですか。

松岡 体調のブレが少なくなりました。畠山先生と相談しつつ、試行錯誤しながらやってきたことが実を結んで、ようやく安定して走れるようになりました。

──1週前追い切りは松岡騎手が騎乗して美浦Wで3頭併せを行い、6F80秒3-64秒2-50秒2-36秒5-10秒7をマークした。中間の状態はどうですか。

松岡 体に少し緩さがあったので直線で追いました。1週前追い切りとしては十分の動きだったと思います。

──今回は初めての函館競馬場となります。

松岡 先行する強気の競馬をしても粘れるようなコース形態はいいですね。開幕週の馬場も合うと思うし、魅力を感じています」

──1200mの距離についてはどうですか。

松岡 1200m戦がベストとは思わないけど、マイル戦だと最後まで集中力が持続しない。その点で短い距離ならしっかり走りきれる気持ちの面はありますね。ただ、ここに入ってもスピードは負けていないと思っています。

──ウイングレイテストは松岡騎手のインスタグラムに度々登場して、そこで相棒と表現しています。

松岡 ウインブライトがいなくなってからは、この馬と大きいところを勝つことを目標としているし、自分の中では一番近い存在だと思っています。

──そんな相棒のウイングレイテストはどんな性格ですか。

松岡 馬房に会いに行っても愛想は良くないし、僕にいい顔もしません。普段の性格はマイペースです。こう話しながらふと気がついたけど、自分と似ているな(笑)。周りを気にしないマイペースのタイプ。一緒の性格をしていますね。

(文中敬称略)

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