9番人気のユキノロイヤルを本命に抜擢
『ウマい馬券』で活躍するプロ予想家たちが、会心の的中を振り返る「予想の頭脳」。今回取りあげるのは、ニュージーランドTを的中させた「モンジューのひ孫」氏。難解な一戦を、どのようなアプローチで攻略したのか……。本人自ら綴っていただきました!
対象レース:
2024年4月6日(土)中山11R ニュージーランドT モンジューのひ孫と申します。プロ予想家としては駆け出しですので、今回このような機会を頂き光栄です。
「モンジューのひ孫」氏
1.メンバーの印象
6番人気までノーザンファーム生産馬が占めて、良馬場なら逆らえないな、というのが第一感。当日の芝レースを2つ見て想定外にタフな馬場という印象を受け「日高産馬から入ろう」と切り替えました。特に高速馬場だったジュニアC勝ちのキャプテンシーは危険な人気馬と捉えました。
2.予想のプロセス
華やかな瞬発力勝負では見劣っても、ここ一番での底力、しぶとさを秘める馬を探り当てる方向にシフトチェンジ。結果的にはこれが勝負の分かれ道でした。
【遺伝は回転】
さて、私が本命馬を選ぶ拠り所は常に「血統観」です。中山芝の重賞レースで、最も頼りになるのが<リボー1/3波>。
これは伝説の名馬リボーの血の作用が3代周期で変化することに着目した独自の基準で、1/3波とは3X+1代祖先と同義です。
サンデーサイレンス直仔の全盛時代に中山芝のGIレースで驚異的な底力を発揮したブライアンズタイム産駒や、有馬記念でスペシャルウィークに土をつけたグラスワンダーは、共通して4代祖先にリボーの血を備えていました。あれから20数年後の現代に至って、7代祖先にリボーを備える血統馬に彼らの蹄跡を透かし見る、といった感覚です。
直仔が小回りのグランプリレースに強かったブライアンズタイムですが、孫世代の出世頭であるウオッカは明らかに広いコースに強く適性は別の方向へ伸びていました。これが「遺伝は回転」の象徴と言えると思います。遠い祖先馬の血が、波のように周期性を持って現代の競走馬の適性や特徴に影響を与え続けている。
20年以上昔の直感が、プロ予想家となった今でも私の血統観の根幹を支えています。
本命を打ったユキノロイヤルの母母母父がアレッジドで、その3代父がリボー。
モーリス産駒もグラスワンダー媒介のリボー1/3波を備えますが、往年のブライアンズタイム産駒の名馬の多くが日高産(非社台)の叩き上げだったように、本質的にはノーザンファーム産のエリートに期待値を求める血統群ではない。タフな馬場で持ち時計の指標は当てにならず、2枠4番と絶好枠を引いたユキノロイヤルに食指が動くのは必然。結果は3着でしたが、馬格を補う心肺能力の高さはリボー譲りで積極策も嵌りました。
肝心の相手選びですが、ノーザンファーム生産馬の中でも渋った馬場に耐性を備えるダイワメジャー産駒のどちらかは馬券内かな、と絞って検討に入りました。
【13年周期による生産年】
サラブレッドに関わらず遺伝現象には、周期的な時間が深く影響していると考えています。何故なら、それを定義すれば数々の遺伝にまつわるミステリー性が腑に落ちるからに他なりません。
端的に言えば、同世代の競走馬は適性や特徴が似る。また、繁殖馬としての資質も世代に依存しており、あらゆる素数年周期で分析すれば興味深い偏りを見つけることが出来ると直感しています。
芝の重(当日は稍重)では祖父に1992年±13年産種牡馬を持つ血統馬の期待値が特筆して高いので、母父ティズウェイ(2005)のボンドガールに大きく天秤が傾きました。結果的にはもう一頭のダイワメジャー産駒のエコロブルームに勝たれてしまいましたが、期待通りの走りでした。
3.馬券の買い方
買い方に拘りはないのですが、プロ予想家として出来るだけ推奨馬を絞ることを心がけています。
お客様にご自身の推し馬を加えた馬券も購入して頂き、より競馬を楽しんで欲しいと願っておりますので、今回ワイドで払い戻し1位を記録出来たことの意義は大きかったと思います。
4.メッセージ
現在は1日6、7レースに絞って予想を配信しています。
血統予想に新風を吹き込むべく、日々精進して参りますので、今後ともよろしくお願いいたします。
(モンジューのひ孫)
今回解説の予想結果は
こちら。
「モンジューのひ孫」氏へのインタビュー記事もぜひご覧ください▼
「血統とは波、遺伝は回転」を深掘り! 独自の血統予想で俺プロを勝ち抜いた新進気鋭の予想家にインタビュー