「2016年度
JRA賞」の受賞馬選考委員会が10日、東京都港区のJRA六本木本部で行われ、北島三郎(名義は大野商事)所有馬で、
天皇賞・春、
ジャパンCを制した
キタサンブラック(牡5歳、栗東・清水久)が、最優秀4歳以上牡馬の座を獲得するとともに、栄えある
年度代表馬に輝いた。著名人の所有馬が同賞を獲得したのは初めて。授賞式は30日に都内のホテルで行われる。
16年日本
中央競馬界の顔は、やはりこの馬だった。16年度の
年度代表馬に輝いたのは、291票中134票を獲得した
キタサンブラック。G1勝利数こそ、
天皇賞・春、
ジャパンCの2勝で、国内外で同3勝を挙げた
モーリスに及ばなかったが、年間を通して国内の古馬王道路線を歩み、6戦3勝、2着2回、3着1回と堂々たる戦績を残した。
清水久師は「ありがたいですね。素直にうれしいです。重賞を勝つ馬は管理できても、ここまでの馬はなかなか巡り合えないですからね」と声を弾ませる。演歌界の大御所・北島三郎オーナーがレース後に披露する「まつり」を含め、競馬ファン以外にも年間を通して明るい話題を提供。日本競馬界を盛り上げた点も票につながったとみられる。
「馬自身の人気も加わったんでしょう。昨年は一年を通じて頑張ってくれました。最後に突き放した
ジャパンCは強烈でした」と2馬身半差で完勝した一戦を
ハイライトに挙げる。師自身、助手時代に担当馬
ファレノプシスで98年に最優秀4歳牝馬(現3歳牝馬)、00年に最優秀5歳以上牝馬(現4歳以上)は受賞したが、「やはり違いますね」と指揮官としてのタイトル獲得に喜びもひとしおだ。
今年のローテは現段階では未定だが、
ドバイシーマクラシック(3月25日・UAEメイダン)に登録し、秋は
凱旋門賞(10月1日・仏
シャンティイ)挑戦も視野に入れる。「この馬に合う番組を考えるとドバイやフランスが自然と出てきますし、挑戦してみたい気持ちはあります」とトレーナーは大舞台を見据える。厩舎は過去に
トウケイヘイローでドバイを含め3度、海外に挑戦。「流れを把握できているのは大きいですね」と、その経験を生かしていくつもりだ。
「今年は
年度代表馬という立場になりますし、日本を引っ張っていって、競馬界を盛り上げたいと思っています」と指揮官は気を引き締める。17年は国内外の大きなステージで、さらにファンを魅了していく。
提供:デイリースポーツ