「
日本ダービー・G1」(28日、東京)
悲願の制覇に向けて泰然自若だ。
福永祐一騎手(40)=栗東・フリー=が、今年は
カデナとのコンビで競馬の祭典に挑む。
京都2歳Sで重賞初制覇を飾って以降、陣営とともにこの一戦を目指して取り組んできた。自身はこれまで2度の2着が最高。18度目の挑戦で、今度こそ至高のタイトルをつかみ取る。25日、出走馬18頭と枠順が確定。馬券は26日から一部ウインズで前々日発売される。
迫る大一番を前にしても自然体だった。25日の朝も普段通り、囲んだ記者の質問に福永が笑顔で応じる。「普通のルーティンの中にいる。ダービーを勝ったことはないけど、海外G1は勝っている。そういう時に、どうしているかを考えた。いつも通りにしているだけなんよね」。今年でデビュー22年目。培ったキャリアが、今の自分がどう振る舞うべきかを教えてくれた。
初挑戦は98年の
キングヘイロー。2番人気に支持されたが、初めて逃げの手に出て14着に敗れた。「緊張にのまれたのが最初のダービー。ピリピリしたのは
ワールドエース(12年4着)かな。1番人気だったから」。自身17度の挑戦で2着2回が最高。さまざまな悔しさを重ね、「俺のできる100%で臨む」とシンプルな結論に行き着いた。過去の経験は、確実に自らの血肉となって生きている。
今年のパートナー・
カデナは、
皐月賞で9着に敗れたが、互いの信頼関係が揺らぐことはない。昨年の
京都2歳Sで重賞初Vを飾って以降、ダービーを目標に、前田幸治オーナーや厩舎と一丸となって馬をつくってきたからだ。
「このチームで獲りたいのはある。けど、まだこの馬の現役は続くわけだしね。春の目標であって、最終目標ではない。ダービーはゴールじゃないから。もちろん、ゴールにするだけの価値はあるレースだけどね」。その重みを実感するからこそ、あくまでも冷静に臨む。まだ見ぬ景色を求め、福永は相棒とともに悔いなき戦いに挑む。
提供:デイリースポーツ