先週のウッドチップ馬場はとにかく時計の掛かる状態だったが、今週は18日に降った大雪の影響はあったものの、21日が晴天だったため、多少馬場が乾いた模様。22日の坂路に関しては先週ほど悪い状態ではなかった。
ただ23日は前夜から降り続く雨の影響で馬場状態は最悪。CWでの追い切りは極端に少なくなり、芝コースやDPを代用しての追い切りが目立った。
【坂路/4F51.9秒】
22日の一番時計をマークしたのが、
阪急杯に出走を予定している
トウカイミステリー(栗東・安田隆行厩舎)。この数字が4F51.6秒で、二番時計が4F52.0秒だから、先週よりは随分時計の出る馬場になっている。とはいえ、力のない馬や追い切られる時間帯によっては4F55秒台、1F14秒台とかなり時計が掛かった状態もあり、数字だけでは判断しにくい状況は続いている。
問題は23日。
阪急杯に出走を予定している
ドリームカトラス(栗東・
佐々木晶三厩舎)がC.デムーロ騎手を背にハロー明けの馬場を追い切られたが、その時計は4F59.3〜1F14.4秒。
佐々木晶三調教師の指示が「馬なりで」と出ていたため、追われることなくこの時計になったが、見た感じでは4F55秒くらいは出ている感じだった。
追われている馬でも4F57秒がやっとというこの馬場なら「無理して疲れを残す方が悪影響」と同師。23日に最終追い切りを行った馬に関しては、あまり目一杯に追われてラスト1Fの時計が15秒以上要している馬は疲労を心配した方がよいだろう。
馬場差に関して、22日は先週より回復した『+2.1秒』で観測。なお23日は降雨の影響を大きく受けているため、先週と同じ『+3.5秒』で観測した。
【CW/5F66.0秒】
22日。坂路と同じウッドチップ馬場ではあるが、坂路のように先週から馬場が回復したという気配はない。早い時間帯にトリップ(栗東・松田博資厩舎)と併せ馬を行った
ジョワドヴィーヴル(栗東・松田博資厩舎)が1F13.0秒で3馬身近く遅れ。決して調子が悪いとは思えないだけに、きれいなフットワークをする馬にとっては特に走りにくい馬場なのかも知れない。
そんな中、追い切りの動きが目立ったのが
サナシオン(栗東・
松永幹夫厩舎)。追い切り動く同厩
ハギノコメントとの併せ馬だったが、一杯になる相手を直線で突き放す伸び。1F11.9秒は重い馬場を考慮すれば特筆もの。この中間はノーザンFしがらきに放牧に出されていたが、その効果は大きかったのかも知れない。
先週の馬場差は+3.5秒。ほぼ同じ馬場差にしてもよかったが、晴天で少しは馬場が乾いているので『+3.2秒』で観測した。なお雨の影響を受けた23日は馬場差算出サンプル数が少ないため、天候から計算して先週と同じ『+3.5秒』で観測している。
【DP/5F64.5秒】
普段はウッドチップ馬場で追い切られる馬も重い馬場を考慮してDPを使用。使用頭数が多いため、馬場が影響を及ぼすことも考えられたが、全体的な時計を見たところ、さすがポリトラックだけあって影響は受けていない。
全体的な時計の
バランス、そして動きが軽快に見えたのが
タガノファントム(栗東・小原伊佐美厩舎)。レースで騎乗予定の
川須栄彦騎手が跨っていたが、6F77.2〜4F48.0〜1F11.5秒は徐々に加速するラップで素晴らしい走りだった。小原伊佐美調教師も「放牧明けだった前走よりは確実に良化」と太鼓判。8歳という年齢を感じさせない走りに期待したい。
22日、23日とも馬場差は先週と同じ『-0.3秒』で観測している。(取材:井内利彰)
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。