サマー2000シリーズ第2戦「第48回
函館記念・GIII」(芝2000m)は15日、函館11Rに16頭で争われ、中団の内で末脚を温存させた4番人気の
トランスワープが馬場の真ん中を堂々突き抜け、7歳にして重賞初制覇を飾った。勝ちタイムは2分0秒4。1馬身1/4差の2着は大外から伸びた8番人気の
イケトップガン、さらに鼻差の3着には7番人気の
ミッキーパンプキンが入った。なお、1番人気の
トウカイパラダイスは4着に敗れ、3連単は15万2360円の波乱となった。
歴戦の猛者をあっさりと蹴散らした。重賞初参戦でV。北の大地で高らかに本格化を宣言だ。「もっと前々で競馬をしようと思っていた。焦りましたね」と大野は苦笑いするが、言葉とは裏腹に落ち着いた騎乗が光った。覚悟を決めてインでじっくりと待機し、最速の上がり35秒7を引き出した。「想像以上の脚。スパッという感じ。気持ちよかったです」とさわやかな笑みを浮かべる。
馬自身の充実ぶりも見逃せない。「これまでは飛節やトモが弱かった」とオーナーであるキャロット
ファームの関係者は語る。無理をせずに体質強化を待った陣営。09年12月〜11年7月までは長期休養した。「その後は上がり33秒台の脚も使うようになった。変わりましたね」。手にした初めてのタイトルは我慢を積み重ねた成果だろう。
近日中に放牧へ出され、次走は
札幌記念か、
新潟記念が有力。史上初となる
函館記念覇者のサマー2000シリーズVを目指す。来週から新潟へ主戦場を移す大野も「札幌で使うなら行きたい」と再度の北海道遠征に意欲的。25歳の若武者と7歳馬が織りなすストーリーから、まだまだ目が離せない。
提供:デイリースポーツ