「第54回
AJCC・GII」(芝2200m)は20日、中山11Rに12頭で争われ、中団をロスなく運んだ3番人気の
ダノンバラードだが、勝負どころではスルスルと先団へと進出。直線でも豪快に伸びて、2分13秒1のタイムで、10年ラジオNIKKEI杯2歳S以来の重賞2勝目を飾った。2着には1馬身1/4差で5番人気の
トランスワープ、3着には1馬身3/4差で2番人気の
アドマイヤラクティ。なお、1番人気の
ルルーシュはリズム良く運べず、伸びを欠き7着に終わった。
直線で加速のついた
ダノンバラードが内へ切れ込んでいく。他馬に影響を与えていることは分かっていた。それでも
ベリーは感情を抑え切れず、ド派手な
ガッツポーズ。自身初となる
JRA重賞Vの喜びを全身で表現した。「光栄に思う。この1年間はケガが多く、つらい日々だった」。11年11月には来日中に落馬して右足関節脱臼骨折。昨年9月にも左足首骨折の不運に見舞われた。苦難を乗り越え、そして17度目の挑戦で勝ち取ったタイトル。「なかなか1着が獲れなくて。念願がかなった瞬間」とほおを緩める。
とはいえ、決して後味のいい勝利ではない。直線内斜行により、
ベリーには開催日6日間の騎乗停止処分が下された。「もたれることは調教師から言われていたので気をつけた。一生懸命に修正したけど…。迷惑を掛けて申し訳ない。ただこの馬が一番強いことを、裁決の人に分かってもらえたのは救いだった」。短期免許の交付期間は2月25日まで。「今回の件を肝に銘じ、残り2週を騎乗したい」と神妙な面持ちで語る。
池江師は「ようやく立ち直った」と手応えを口にする。次走の候補は
京都記念(2月10日・京都)、
中山記念(2月24日・中山)、
日経賞(3月23日・中山)。次こそはそう快なVを決めたい。
提供:デイリースポーツ