梅雨空が続き台風接近もあってはっきりしないお天気の関東地方。今朝の美浦トレーニングセンターは雨の夜明けとなった。
　しかし調教開始時間の6時にまだ降り続いていた雨もしばらくすると完全に上がり調教が進むと時折薄日も差す状態に。気温26〜7度。蒸し暑い空気の中で各馬の調整が行われた。

　7時過ぎに馬場に入った天皇賞馬フェノーメノはいつものようにじっくりと馬場内の運動場(角馬場)で準備運動を終えてからウッドチップコースに入って1頭での調整。厩舎の調教助手を鞍上に徐々にスピードを上げると最後までしっかりと伸び切った。

　調教後の記者会見でのやりとりは以下のとおり。

●フェノーメノ(斉藤吉則調教助手)

◎天皇賞の勝利を実際にご覧になってどんな印象でしたか？
　初めての長丁場でしたが、折り合いもついていましたし、早めに先頭に立つ形になったんですが、それでも最後までしっかり伸びて押し切るという強い競馬ができたのかなと思います。

◎正攻法の競馬で勝ったわけですね？
　強かったと思います。

◎蛯名騎手がレース後に「古馬になってから馬がしっかりしてきた」と言っていましたが？
　結果的に早めに抜け出す形になって、以前だったらヨレたりしたものですが、そのあたりも修正できてましたし、本当にしっかりしてきたんだなと思います。

◎激しいレースの後はどう過ごしたんでしょう？
　厩舎に置いて調整したんですが、長距離輸送もあり、長丁場を走ったものあったので疲れやダメージが心配だったんです。でも思ったより馬自体はけろっとしていて、いちおう目に見えない疲れなどがあるかもしれないので、そのへんをケアしながらやってきました。順調に来れたと思います。

◎2週前から元気一杯に調教を積んでいますね？
　ダメージが本当になかったので、十分な負荷がかけられたと思います。

◎先週も非常に速いタイムでの調整だったようですが？
　先々週も長めからしっかりやって、1週前も蛯名騎手に乗ってもらって十分負荷をかけられたと思います。

◎遠征を前にしての今朝の調教は1頭での調教。最後までしっかり追われる形でしたか？
　もう十分、2週前、1週前とやってますので、今週は馬をリズム良く走らせて最後にメリハリの効いた走りをという形でしたが、本当にいい走りだったと思います。

◎天皇賞の直前も「以前のように(調教で)最後にふらつくようなことがなくなった」とおっしゃってましたが？
　本当に今年になってしっかりしてきました。

◎一番良くなったところはどういう所でしょうか？
　稽古で騎手が乗った時もそうなんですが、メリハリが効くようになってきたというか、馬が競馬を覚えてきたという感じがします。

◎今回は前回と違った舞台での強豪との争いになりますがいかがですか？
　やはり、前回GIは勝ってますが今回も沢山GIを勝っている馬がいますので、あくまで挑戦者だと思っています。

◎前回は初めての距離でしたが、今回の方がレースはしやすいのではないですか？
　距離的には競馬がしやすいと思います。

◎阪神コースについてはいかがでしょうか？
　前回も初めてのコースの京都を問題にしなかったので、対応はしてくれると思います。

◎これまでといろいろ条件は違いますが、どんなレースをイメージしてますか？
　この馬の持ち味、競馬のセンスがよくレースが上手な馬なので、前回の競走と同様に相手云々ではなくて自分の競馬に徹するのが一番かと思います。

◎あとは結果が付いてくると？
　そうですね。自分の競馬に徹してくれれば。

◎今回は関東の代表のような形ですが、ファンの皆さんに一言お願いします。
　ファン投票でも上位に入れていただいたので、応援しているファンのためにもいい結果を出したいと思います。


(取材：佐藤泉)

提供:ラジオNIKKEI