これほど日本の競馬場を熟知した上で初来日を迎える調教師はいなかったに違いない。
パンツオンファイアのブリーン師は日本の競馬場で何百回、何千回と“騎乗”した経験の持ち主なのだ。もっとも“乗った”といってもゲーム上の話ではある。
そのゲームとは騎手を疑似体験する日本発のTVゲーム「ギャロップレーサー」だ。90年代半ばに初の3D騎乗体験ゲームとして大ヒットすると、程なく英語版も開発され海外でもヒット。ブリーン師は「阪神も何度も乗ったね。ユタカ・タケには何度もやられた」と笑う。
当然、日本の競走条件は熟知している。北米競馬はもっぱら左回りだが、阪神が右回りなのも承知。今回の来日も「ルイジアナダービーを勝ったころから
JRAには声をかけてもらって考えていた」と2年半前から遠征が選択肢として浮かんでいたという。
追い切りは24日に済ませている。28日は阪神ダートで1F16秒のペースで、正味半マイルほど流した。「米国でも最後の追い切りは6〜8日前だし、いつも通りの調整過程」と説明する。
参戦の本気度は、掛け値なしに高い。米国ダート重賞4勝の刺客が好走しても不思議ではない。
提供:デイリースポーツ