2日、第81回
日本ダービーを制した
ワンアンドオンリーが栗東トレセンに帰厩した。担当の甲斐助手によれば「栗東到着は午前1時半ごろ。帰りの輸送も特に問題ありませんでした」とのこと。
一夜明けた朝も
ワンアンドオンリーは非常に元気がよく、飼い葉が与えられるやいなや、甲斐助手が飼い葉桶を固定する前に顔を突っ込み食べ始めた。
「(食べるスピードは)決して速いほうではなくて、よく噛んでしっかり食べます」とのこと。しばし一心不乱に飼い葉を食べ続け、しばらく顔を飼い葉桶からはずすことはなかった。「すごい食欲ですね(笑)」と甲斐助手は愛馬の食欲旺盛ぶりをあたたかく見守っていた。
昨日を振り返り、甲斐助手は改めて「先生の悲願を達成できてよかった」と笑顔で話した。30度を超える気温だったが「ほとんどの馬が汗をかいていましたね。とても暑かった」とのことだ。
甲斐助手の父親が同じ橋口厩舎で厩務員をしていた。担当馬だった
ツルマルミマタオーは橋口師が初めてダービーへ出走させた思い出深い馬でもある。そして、このダービーは甲斐助手自身も応援しに行ったそうだ。
「あのときは19万人の来場。スタンドから見ていました。昨日、馬場からスタンドを見上げたら、お客さんたちがすごくたくさんいて、僕もあの中のひとりだったんだなぁと思いました」
今年は約14万人の観客が集まりダービーならではの大歓声を浴びたが、
ワンアンドオンリーはいたって「普通だった」そうだ。飼い葉食いしかり、決して動じない肝のすわった強さが今年のダービー馬にはある。
(取材・文・写真:花岡貴子)