ラストインパクトにとって
天皇賞・春(9着)後の休養は、春4戦の疲れを癒やすには十分だった。朝一番の栗東CW。走り出すと進境が見えた。野元助手の手綱によく従ってス
トライドはゆったりしていた。
サダムダイジョウブ(4歳500万下)との併走追い。3角まで
ゴーサインをじっと待つ。「賢い馬だからなあ。放牧に出て帰ってくる度にがむしゃらさは少しずつ消えていく」。松田博師には管理馬の精神的成長も織り込み済みだ。
肉体的にも臨戦態勢は整っている。4角を過ぎて鞍上が背中のステッキを抜く。気合づけ程度の右ムチにしっかり反応して加速。軽々なフットワークで駆け抜けた。6F85秒8-38秒7-11秒9で併入。「やればもっと動く馬だけど、併入させるつもりで予定通り。疲れはしっかり抜けてるよ」。名伯楽の計算通りに進んでいる。
3走前の
小倉大賞典では早めにまくる競馬でV。だが、指揮官は「不細工な勝ち方だった」と振り返る。「勝ったからいいけどな、あれでは馬が強いと言われるだけで騎手には何も残らん」。ゲートで立ち遅れた結果だったが、勝って上がってきた川田には雷を落としたという。
「本来はスッと前につけられる馬だから、心配はしとらんよ」。今度は正攻法で勝ち切ってみせる。
提供:デイリースポーツ