始動戦を制し、そして世界へ。
ハープスターが大志を胸に
札幌記念に臨む。
札幌に入厩したのは7月30日。松田博師は「牧場で乗り込んでもらっていたから、太め感もなくいい感じで帰ってきた」と帰厩当時を振り返る。8月3日に初時計をマーク。ここまで計5本の追い切りをダートで消化し、13日には6F83秒0-12秒3(直一杯)と上々の切れ味を披露。追うごとに体が引き締まり、気配は良好だ。
札幌記念を
ステップに
凱旋門賞へ挑戦する。「どこかを叩かんとアカンからな。使うならここ(
札幌記念)がベスト」。札幌は脚質的には不向きな小回りコースだが、トレーナーに迷いはなかった。
ただ、海外遠征を控えた始動戦。もちろん、完璧に…というわけにはいかない。どの程度の仕上がりで臨めるのか?「七分ぐらいにはもっていけると思う。それぐらいの状態でもいい勝負をしてもらわんと、
凱旋門賞なんて言ってられんからな」と力を込める。
凱旋門賞挑戦は5年越しの夢でもある。「ブエナは蟻洞(ぎどう=爪の疾病)で行けなくなったから」。09年夏、
ブエナビスタは今回と同様、前哨戦として
札幌記念に臨み2着に敗れた。同時に右前脚に蟻洞を発症していることも判明し、遠征を断念した。
「3歳馬だけに行ってみたい。4歳や5歳なら、そう思わんのやけどな」。古馬牡馬とは5キロの斤量差がある3歳牝馬なら世界一になるチャンスがある。そうにらんでいる。待ってろ、世界の強豪馬。ワールドクラスの末脚を、北の大地から海の向こうへと発信する。
提供:デイリースポーツ