まとわりつく湿った空気を、切れのあるフットワークではじき飛ばした。
CBC賞2着の
エピセアロームが栗東坂路で鋭伸した。
巧みな
バランス感覚で、重心を低く保ちながらの登坂。まるでレールの上を走っているかのような滑らかさ。真っすぐな蹄跡を残すと、4F52秒0-37秒9-12秒4というタイムを刻んで見せた。
動きと時計を確認した石坂師は、体調の良さを確信する。「先週併せ馬でやっているからね。暑さも考慮して単走にしたが、この時計なら十分だね」とうなずいた。さらに「前走も体調は良かったので、その状態を保っているね。やはり夏場はいいようだな」とトーンはアップした。
ロードカナロアを封じて快勝した2年前の
セントウルSを含め、芝1200mでは[3-2-1-3]と安定した実績を残している。しかも小倉では11年小倉2歳Sを勝ち、12年
北九州記念で3着。そこに“大好きな夏”という
ファクターが加わる。
「1400mにも
トライをしてきたが、やはり1200mがベストだね。体調は万全なので、何とか勝ち切りたいですね」と指揮官は意欲を隠さない。円熟期を迎えた5歳牝馬が、思い出の地で3つ目のタイトルをたぐり寄せる。
提供:デイリースポーツ