2007年〜2009年の間に
JRAのインターネット投票を利用して約28億7000万円を投じ、約30億1000万円の払戻金を得たことを一切申告せず、約5億7000万円を脱税したとして所得税法違反の罪に問われていた元会社員の男性(41)の上告審で、最高裁第三小法廷(岡部喜代子裁判長)は10日、外れ馬券を「経費」と認めた1・2審判決を支持し、検察側の上告を棄却した。
2013年の1審(大阪地裁)判決は、予想ソフトとインターネットを使った男性の大量の馬券購入は「営利目的の継続的行為」であるとして、男性が得た払戻金は先物取引、外国為替証拠金取引(FX)などと同じ「雑所得」と判断。外れ馬券も含めた馬券の購入費全額を経費と認め、懲役2カ月・執行猶予2年(求刑懲役1年)、課税額は約5200万円(※1)とした。2審(大阪高裁)もこの判断を支持し、検察側が上告していた(※2)が、これにより判決が確定する。
※1 払戻金約30億1000万円から、全馬券の購入費用約28億7000万円を差し引いた約1億4000万円の所得についての課税額
※2 検察側は、払戻金は所得税法上の「一時所得」にあたるとし、当たり馬券の購入費のみが経費となると主張していた(一時所得の必要経費は「収入を生じた行為のために直接要した金額」と規定されている)。