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福田好訓持ち乗り助手インタビュー後編

  • 2011年05月12日(木) 12時00分
競馬では男馬顔負けの強さを発揮するアパパネですが、普段は福田好訓持ち乗り助手にべったりのかわいらしい女の子。また、その愛らしい瞳と仕草で、見る者たちを骨抜きにしています。女王の素顔に迫ります。

◆最強牝馬のテクニック

赤見 :次走のヴィクトリアMでは、ついにアパパネVSブエナビスタが見られるということで、ファンの方にとっても本当に楽しみだと思うんですけど、アパパネちゃんって欠点らしい欠点がないですよね。

福田 :欠点、そうですね。もちろん「こうなって欲しい」「ああなって欲しい」という部分が全く無くなったわけではないですけど、調教でもそんなに乗り難しいわけではないですしね。2歳の頃や3歳の桜花賞前は、かかるというイメージもありましたけど。

赤見 :一生懸命走りすぎちゃうという感じがしました。

福田 :そうですね。気を遣って前の馬を追い掛けちゃうところがありました。でも今は、どこにでも入っていけますし、多少行きたがっても抑えが利きます。暴走するタイプじゃないですからね。そういう意味では、手がかからなくなってきていると思います。

赤見 :出会った頃はどういう仔でしたか?

福田 :素直な仔だなって思いました。だから扱いやすいなって思いましたよ。

赤見 :そうか、そうですよね、やっぱり女の子は素直が一番なんですね。アパパネさんに勉強させてもらいました(笑)。

福田 :そうですね、馬もそうかもしれないですね(笑)。あとは、何事に対しても反応が良くて、オンとオフがはっきりしていました。精神的なものがしっかりしているというか、そういうのもありました。

赤見 :女の子って、やっぱり精神面が難しいところですよね。カリカリしちゃう仔も多いですし。だからこそ、精神的にしっかりしているのは、強いですね。

福田 :そうですね。女馬らしいのは女馬らしいんですけど、テンションが上がっても、一気に上がって、そのまま何もなかったらすっと下がるんです。

赤見 :ずっとカリカリカリカリしているわけじゃないんですか。

福田 :そうです。運動でも、ちょっと跳ねてもそこで終わるというか。運動している間ずっと首を上げちゃって、という感じではないです。終わったら終わったで収まります。まあ、よく跳ねるのはよく跳ねるんですけどね(笑)。

赤見 :元気ですよね。

福田 :元気が良い時はよく跳ねますし、ちょっとびっくり屋さんなところもありますので、それで跳ねたりするんです。まあ、ご愛嬌というか。

赤見 :そういう時の福田さんのなだめ方が、私すごく好きで。アパパネが跳ねても慌てずに「ああ、もう分かったよ〜」って優しく諭していますよね。

福田 :あはは(笑)。本当はバシッと怒ってもいいのかもしれないですけどね。でも、そこまでずっとやっているわけではないですし、それがストレッチのようになっているところもあるのかなって。

赤見 :アパパネにとってはいいガス抜きにもなっているように思います。

福田 :そうかもしれないですね。まあ、去年のチューリップ賞の頃と比べたら、今年はまだ大人になった感じもあるんですけど。それでもまあ、今日も元気が良くて(笑)。乗っていて半分落ちかけましたからね(笑)。でね、またあいつ、いやらしいんで。

赤見 :いやらしい??

福田 :自分からやったら僕に怒られるから、他の馬が暴れてから、自分もボコボコボコンってやるんです。他の馬がやっているのを見て、びっくりしたふりして。「これなら怒られないだろう」って感じでやっています。

赤見 :ええ〜(笑)。それ、相当頭がいいですね。

福田 :頭いいです。それで僕が怒ったら本当に理不尽そうに、「何で? びっくりしただけなのに」っていう顔していますから。

赤見 :かわいいですね〜。また、見た目もものすごくかわいいですよね。カメラを向けるとカメラ目線しますよね。

福田 :そうそう、カメラを向けられるとちゃんと顔を作ったりしますよね、あの仔は。本当に良い顔しますもんね。

赤見 :スターですね。しかも、福田さんのことが大好きなのが伝わってくるんですよね。アパパネと福田さんが一緒にいると、ラブラブのカップルみたいですもん!!

福田 :(笑)。

赤見 :運命の出会いじゃないですか。だって、何百人っている助手さんの中でも。

福田 :そうですよね。東西合わせたら、働いている人は何千人っている中でですもんね。幸せですよね。良い経験というか、これからの人生においても経験させてもらえないような経験をさせてもらっています。

赤見 :アパパネの強さって、どこに一番感じていらっしゃいますか?

福田 :走ることに対して一生懸命ですよね。能力はある馬で、それに加えて一生懸命です。

赤見 :これからどんなふうに成長したアパパネが見られるか、楽しみです。

福田 :そうですよね。でも僕が祈っているのは、とりあえずは無事にいってくれることだけですね。早くお母さんになって欲しいです。

赤見 :ええっ? 何でですか?

福田 :だって、もう十分ですよ。本当にがんばってくれています。そういう意味では、三冠を獲った時点で電撃引退でも良かったんじゃないかなと思っているくらいです。それくらい無事にいってほしい。

赤見 :なるほど。

福田 :人間が欲を出さないことです。無事ならいいんです。無事でいてくれることが一番です。

東奈緒美 1983年1月2日生まれ、三重県出身。タレントとして関西圏を中心にテレビやCMで活躍中。グリーンチャンネル「トレセンリポート」のレギュラーリポーターを務めたことで、競馬に興味を抱き、また多くの競馬関係者との交流を深めている。

赤見千尋 1978年2月2日生まれ、群馬県出身。98年10月に公営高崎競馬の騎手としてデビュー。以来、高崎競馬廃止の05年1月まで騎乗を続けた。通算成績は2033戦91勝。引退後は、グリーンチャンネル「トレセンTIME」の美浦リポーターを担当したほか、KBS京都「競馬展望プラス」MC、秋田書店「プレイコミック」で連載した「優駿の門・ASUMI」の原作を手掛けるなど幅広く活躍。

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