今週で本州での夏競馬は最後。小倉2歳S、新潟2歳Sで締めとなります。ダローネガは「時計のかかる時間帯だったし、あまり動けないだろうと思っていたが…いい時計が出たね。最後も楽に流しているのにラストは12秒4だったからね。やっぱり走るわ」と佐々木調教師が大絶賛。
対して、新馬戦で牡馬を一蹴したハッシュドトーンも「外枠を引いた時点でダメかと思ったが、こちらが思っている以上の勝ち方をしてくれた。かなり走るし、自信はあるよ」と西園調教師は胸を張る。新潟2歳Sはこの2頭が人気面でリードしそうな情勢だ。一方の小倉はというと…やや小粒な感じが否めない。マコトリヴァーサルが中心になりそうだが、果たしてどこまでやれるか。
夏が終わるということは、当然、秋のデビューを目指して大物たちが栗東にやってくる季節が来たと言うこと。そして、誰もが心待ちにしているのがジョワドヴィーヴルの近況だろう。今年は頻繁に北海道に脚を運んだ松田博調教師。「動きもスムーズだし、やっぱり抜けている」と直近の評価も変わりなく高い。「恐らくブエナビスタがこちらに来る時に一緒に入厩する形になると思う。まだはっきりは決めていないが、9月の中旬ごろかな」というから、本当に間もなくその姿を見ることができそうだ。
ストレートラブは「少し疲れが出て楽をさせた時期もあったが、今は順調。それほど遅くはならんよ」。NFしがらきで調整中のピュアソウルも「体高は変わらないが、幅が出て体はしっかりしてきた」と上昇気配。これなら入厩の声がかかる日も近いと言えるだろう。また、阪神開催でのデビューを視野に入れているのがタガノミュルザンヌ。もともとは「ゲートだけ受けて放牧の予定」だったが、先週の初めての追い切りで格上に食らいつく絶好の動きを披露。これで少し心が動いたようで「もう少し様子を見て、いいようなら阪神で使うことも考えんといかん」と予定を変更しそうな雰囲気だ。
例によって好調な滑り出しを見せている西園厩舎だが、秋の大物候補と言えばストリートワイズ(母コンナイヴィング)。「スラッとしていい馬ですよ。シングスピールは気難しいのが多いというけど、この馬はそんなことない。素直そうです。涼しくなったらこちらに連れてこようと思っています」と西園調教師。前出のハッシュドトーンが一の矢とすれば、こちらは二の矢ということか。
中竹厩舎はジョーマダガスカルが阪神の芝のマイル戦でデビュー予定。「いい雰囲気だし、攻めの動きもよかった。さすがにトレーニングセール出身だね。走ってほしい」と伊藤助手。スノーウエーブは「大きな馬だし、まだ持て余している感じ。芝よりはダートの方がいいだろうね」と同助手。「怪我で放牧」とされているカレイドスコープだが、これでは言葉足らずな感じがするので補足を。怪我は確かに負ったがかすり傷程度の外傷で、これが放牧の原因となるようなものではなかった。それよりも環境の変化やゲート練習などが精神的な負担になったようで、これを解消する意味で放牧に出されたというのが本当のところ。「間違いなく走ってきます」と白倉助手も能力の高さには太鼓判を押しており、帰厩後は牝馬戦線を盛り上げてくれるはずだ。
▼筆者:吉田竜作
「日本一のPOG記者」との異名を持つ大阪スポーツ記者。