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フレンチデピュティの大物配合エーシンセノーテ

  • 2012年04月25日(水) 12時00分
【2歳】
●アメージングタクト(牡 栗東・野村彰彦 父ウォーエンブレム、母アルーリングアクト)
 半姉アルーリングボイスは小倉2歳S(GIII)とファンタジーS(GIII)を勝った。母アルーリングアクトも小倉2歳S(GIII)の勝ち馬。母がMr.Prospector 3×3なのでスピードに関しては手堅いものがあり、本馬はMr.Prospector 系のウォーエンブレムが父なので、Mr.Prospector 3・4×4。いかにも2歳戦向きのスピード馬で、芝・ダート兼用タイプ。夏のローカル戦から数を使ってしっかり稼ぎそうな雰囲気がある。距離はマイル以下がいい。

●エイティグローリー(牝 栗東・坂口正則 父スペシャルウィーク、母プリッシーブリッチーズ)
 母の父がKingmambo、2代母の父がA.P.Indyなので、母はMr.ProspectorとSeattle Slewを併せ持っている。いずれも前向きなスピードタイプなのでスペシャルウィークの配合相手として好ましい。父がスペシャルウィークで母方にMr.ProspectorとSeattle Slewを併せ持つ馬といえばリーチザクラウンがいる。この馬は前向きすぎて折り合いに難があったが、ポテンシャルの高さは誰もが認めるところ。そうした資質が本馬に備わっていることを期待したい。

●エーシンセノーテ(牝 栗東・坂口正則 父フレンチデピュティ、母セントルイスガール)
 母セントルイスガールは小倉2歳S(GIII)2着馬で、本馬の半兄には1000万条件で活躍中のエーシンミズーリ(父マンハッタンカフェ)がいる。父がフレンチデピュティに替わった本馬は「フレンチデピュティ×Silver Hawk」となるのでNHKマイルC(GI)を勝ったピンクカメオと同じ組み合わせ。父フレンチデピュティは母方にRoberto系を抱えた配合で大物を出す傾向があり、ピンクカメオの他にクロフネ(01年NHKマイルC-GI、01年ジャパンCダート-GI)、アドマイヤジュピタ(08年天皇賞・春-GI)などが出ている。Storm Catが入るので仕上がりは早いだろう。

●シェアードワールド(牡 美浦・手塚貴久 父ゼンノロブロイ、母デュアルストーリー)
 母の父エンドスウィープは、日本ではアドマイヤムーンをはじめ芝向きの産駒もたくさん出したが、アメリカ時代はダート向きの繁殖牝馬と交配されて誕生したものが多く、サウスヴィグラスのようなダートの鬼がほとんど。母デュアルストーリーもその1頭で、現役時代はダート1200mのスペシャリストだった。本馬の半兄デュアルスウォード(父デュランダル)もやはりダート1200m向きで、先々週行われた京葉S(OP)を後方からズバッと差し切って優勝した。本馬の父ゼンノロブロイはダートもこなすタイプだが、中距離タイプなので1400〜1600mあたりに向きそう。

●ミヤジタイガ(牡 栗東・岩元市三 父ネオユニヴァース、母フローレンスガール)
 母フローレンスガールはダ1400mで2勝。その父El CorredorはMr.Greeleyの子でMr.Prospector 3×4、といういかにも仕上がりの早いスピードタイプ。父がやや鈍重なところのあるネオユニヴァースなのでアメリカ血統に由来するスピードが入るのは好ましい。ただ、産駒は十中八九ダート馬だろう。ネオユニヴァースはロジユニヴァース、アンライバルド、ヴィクトワールピサといった芝向きの大物を送り出しているが、ここ1〜2年はダート向きにシフトしており、去年、今年とダートの勝ち星が芝を上回っている。母フローレンスガールはパワー型のスピード血統で固められているのでダート向きに出そうだ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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