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兄弟にハズレ無し!アプリコットフィズの全弟ダービーフィズ

  • 2012年09月26日(水) 12時00分
●エピファネイア(牡 栗東・角居勝彦 父シンボリクリスエス、母シーザリオ)
 母シーザリオは現役時代にオークス(GI)を勝ち、アメリカに遠征してアメリカンオークス(G1)を楽勝した名牝。本馬はその3番子。長男のトゥエルフスナイト(父キングカメハメハ)は3歳秋にデビューし、経験馬相手に勝利を挙げたものの、1戦1勝の成績で引退した。母の産駒で競馬場で走った経験があるのはこの馬のみ。本馬はすでにゲート試験にも合格しているのでデビューは早そうだ。父がシンボリクリスエスなので芝だけでなくダートもこなす資質を秘めている。中長距離向き。

●ダービーフィズ(牡 美浦・小島太 父ジャングルポケット、母マンハッタンフィズ)
 母マンハッタンフィズは1勝馬ながら、名種牡馬マンハッタンカフェの全妹にあたる良血。繁殖牝馬としては優秀で、アプリコットフィズ(父ジャングルポケット/10年クイーンS-GIII、10年クイーンC-GIII)、クレスコグランド(父タニノギムレット/11年京都新聞杯-GII)、コロンバスサークル(父ホワイトマズル/11年オールカマー-GII・4着)を産んでいる。ハズレ無しで良駒を出し続ける母は素晴らしいの一語。本馬はアプリコットフィズの全弟。重賞を2勝した全姉のような活躍を期待したい。

●オースミミズホ(牝 栗東・荒川義之 父スペシャルウィーク、母オースミハルカ)
 母オースミハルカはクイーンS(GIII)[2回]、府中牝馬S(GIII)を勝ったほか、エリザベス女王杯(GI)でも2年連続で2着となった名牝。繁殖牝馬としても優秀で、アグネスタキオンとの間にもうけたオースミイチバンは兵庫チャンピオンシップ(Jpn2)を勝ち、ユニコーンS(GIII)で2着と健闘した。本馬の全姉オースミアザレアは8戦して未勝利に終わった。走る能力はあったものの気性的な問題で実力を発揮できなかったので、本馬はこの点さえ問題なければ期待できる。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

●メテオーラビアンカ(牡 美浦・久保田貴士 父ホワイトマズル、母ベティクラリス)
 母ベティクラリスはTCK女王盃(Jpn3)3着馬で、その兄弟にマチカネオーラ(06年中京記念-GIII)、マチカネメニモミヨ(05年函館記念-GIII・4着)、ユノゾフィー(10年武蔵野S-GIII・4着)がいる良血。「ホワイトマズル×サンデーサイレンス」という組み合わせはアサクサキングス、シャドウゲイト、シルポート、シンゲンなど高確率で活躍馬が出現しているニックス。芝向きの中距離タイプとして出世しそうだ。

●ヤマニンアドーレ(牝 美浦・星野忍 父ダイワメジャー、母ヤマニンアラバスタ)
 母ヤマニンアラバスタはラストの切れ味を武器に府中牝馬S(GIII)、新潟記念(GIII)などを制した名牝で、オークス(GI)でも3着と健闘した。本馬はその初子。父ダイワメジャーは初年度産駒からカレンブラックヒルやエピセアロームなどを出して大成功している。Nasrullah系やRoyal Charger系の強い繁殖牝馬と相性がいいので、Nasrullah=Rivaz 5・6×5・5・6のヤマニンアラバスタとは相性がいいはず。芝向きのマイラー。

●レッドファンタジア(牝 栗東・橋口弘次郎 父Unbridled's Song、母Cat Chat)
 2代母Phone ChatterはBCジュヴェナイルフィリーズ(米G1)を制して米2歳牝馬チャンピオンに輝いた名牝で、母Cat ChatはナッソーナウンティS(米G2)の勝ち馬。本馬の半姉にはブラックアイドスーザンS(米G2)とバーボネットオークス(米G3)を制したIn Lingerieがいる。父Unbridled's Songは芝・ダート兼用だが、本馬のファミリーはパワーに恵まれているので、どちらかといえばダートのほうがいいだろう。

●ロードクルセイダー(牡 栗東・浅見秀一 父フジキセキ、母レディアーティスト)
 3代母Angelic SongはGlorious Songの全妹なので、Glorious Songを2代母に持つフジキセキセ産駒ダノンシャンティ(10年NHKマイルC-GI)に似ている。また、アカンサスやトーホウアマポーラと同じくミルレーサー≒Gana Facil の組み合わせクロスを持ち、さらに、フジキセキとニックスの関係にあるDeputy Ministerを持っている。配合的な強調材料がテンコ盛りの好配合馬なのでしっかり走ってくるだろう。芝・ダート兼用のマイラー。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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