今年の春GIの牡馬2冠は、いずれもディープインパクトとステイゴールド産駒の1、2着。
皐月賞はステイゴールド産駒のゴールドシップが1着。2着はディープインパクト産駒のワールドエース。ダービーは、ディープインパクト産駒のディープブリランテが1着で2着はステイゴールド産駒のフェノーメノ。
1、2着の種牡馬の組み合わせは同じですが、馬券になった産駒は異なります。ちなみに、ダービーは、3着のトーセンホマレボシもディープインパクト産駒。初めてGIで馬券になった馬でした。(と書いたものの、ワールドエース、フェノーメノ、トーセンホマレボシ、ディープブリランテが出走していないのですから、ほとんどの馬が、今回、GIで初の馬券になる馬になってしまうのですが)GIで馬券になったことがない、ステイゴールド、ディープ産駒の中から注目馬を分析しましょう。
まず、ステイゴールド産駒のフェデラルホール。母母父にノーザンテーストを持つのは凱旋門賞2着のオルフェーヴルと同じ。さらに母母母父はガーサント。先週の秋華賞で3着だったアロマティコ、来週エントリーしているルーラーシップも母母父ノーザンテーストで母母母父がガーサント。ガーサントは社台が60年代に輸入した種牡馬。今年の秋GIは50年近い歳月をかけて作り上げられた、THE社台血統がGIを賑やかすかもしれません。
ディープ産駒のエタンダールは、母父がサドラーズウェルズ産駒のモンジューで、母母父がミルリーフ系のハイエステイト。今年の凱旋門賞を勝利したソレミアもサドラー系×ミルリーフ系の配合馬だったように、欧州ではスタンダードなスタミナ血統です。
しかし、スタミナが出すぎているため、高速馬場のダービー。小回り1800m適性が問われたセントライト記念は苦戦しました。最近の菊花賞は母系にはズッシリと重い血を持っている馬が走る傾向からも、近2走よりは条件が好転するでしょう。
ベールドインパクトも母父ドクターデヴィアス。同馬を母父に持つ牡馬が芝GIに出走した例は、過去にはビッグプラネット、ベールドインパクトの2頭しかいませんでしたが、今回の菊花賞ではフェデラルホール、ベールドインパクトと2頭出し。
ドクターデヴィアスの牡馬がGI出走例が少ないのは、頭数の絶対数が少ないこともありますが、牡馬だと脚が遅い馬も出やすく勝ち味に遅いことも原因のひとつです。菊花賞は母系が重すぎるために一連のクラシック、トライアルでは能力を出せなかった馬が才能を開花させるケースも目立ちますので、今回は重厚な母父を持つことも強調材料になります。
ロードアクレイムの母父はトニービン。天皇賞春は、トニービンの血を持つ馬が1−5着を独占したように、京都の芝長距離GIのおいてトニービンの血は超名血です。
母母父はブラッシンググルーム。昨年の菊花賞3着で、今年の天皇賞春を制したビートブラックもトニービンの血と同時にブラッシンググルームの血も持っていました。父、母ともにトレンディーな菊花賞血統です。
それにしても、ワールドエース、ディープブリランテ、トーセンホマレボシが菊花賞に出ていないのは本当に残念です。ディープインパクト産駒は、GIで馬券になったことがない方を買って行った方が期待値が高いのかを検証することもできないのですから。
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