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気性が前向きなスタミナ血統が走る天皇賞秋

  • 2012年10月26日(金) 12時00分
 2008年の天皇賞秋を勝利したカンパニーの父はミラクルアドマイヤ。トニービン×サドラーズウェルズの重厚なスタミナ血統です。

 ところが、カンパニー自身は芝2200m以上の重賞勝利実績はなし。その後マイルCSも勝利したように、戦歴はマイル指向の強い中距離型でした。

 この年の2着馬はスクリーンヒーロー。前年にはJCを制した馬。父グラスワンダーは芝2200m以上で種牡馬ランキングを上げるスタミナ型です。しかし、スクリーンヒーローは08年に天皇賞秋で2着後、JCでは4人気に支持されるも13着に惨敗します。天皇賞秋の前走、宝塚記念では先行する競馬、ブリンカー着用によって気性が前向きになったからこそ、天皇賞秋では走り、長い距離に対応できなくなったしまいました。

 ペルーサも天皇賞秋以外のGIでは馬券にならなかったように、天皇賞秋は、気性、戦歴は2000m以下に向いているものの、血統は中長距離指向の強いタイプが走りやすいレースです。

 となると、昨年の勝ち馬で、天皇賞春でも2着に走ったトーセンジョーダンはどうとらえるべきでしょうか?

 競馬はすべてパターン通りに決まるわけではないので仕方ない。というのもありますが、昨年は異例のハイペース。長距離では先行して馬券になるトーセンジョーダンがマクれるレースになりました。今年は、例年通りのペースであれば馬券になる確率は大きく下がるでしょう。

 今年の出走予定馬では、人気が予想される馬ではルーラーシップ、フェノーメノが当レース向きのタイプです。ルーラーシップは前走の宝塚記念で先行する競馬。重賞5勝はすべて、前走よりも長い距離を経験していた「距離短縮」だったように、気性が前向きなタイプです。血統的にはキングカメハメハ×トニービンですから、芝2400mも歓迎のタイプ。気性が前向きで血統的にはスタミナ豊富な馬。血統、戦歴共に当レース向きです。

 フェノーメノは重賞で馬券になったのはすべて芝2200m以上。父もスタミナ型のステイゴールド。もかかわらずメンバーの薄い菊花賞を回避したのは右回りの不安に加え、母父デインヒルの影響で気性が前向きになっていることも考慮されたのかもしれません。

 前走の4コーナー先頭の競馬は、距離延長の際には不安材料になりますが、天皇賞秋に関しては強力な買い材料です。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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