今年の京王杯2歳Sは、血統面でも興味深いメンバーになりました。netkeiba.comの予想オッズ1、2人気のマイネルエテルネル、エーシントップはいずれも外国産馬。マイルよりも短い距離の馬力に優れ、体力の完成度も早く、力任せに押し切る血統馬です。
オルフェーヴルの凱旋門賞でも証明されたように、今や日本の主流血統は芝中距離のカテゴリーに関しては世界最高レベルと言ってもいい(多くの反対意見は出ない)でしょう。
しかし、体力の完成度、馬力で押し切るマイル〜短距離適性においては、一流とはいえません。現状の血統のトレンドでは、フランケルに欧州のマイル競争で勝負したら、日本の一流馬でも子供扱いされてしまうはずです。
マイネルエテルネルの父タマユズは、ネイエフ(父ガルチ)×ヌレイエフと馬力と体力の完成度の早さに秀でた種牡馬。
エーシントップも、父はストームバード系種牡馬。先週のアルテミスSも母父ストームバード系が1、2着だったように、今や日本の2歳戦でも欠かせない体力の完成度が高い血です。
一方、日本の生産馬では、母父サンデーサイレンスの産駒は1頭エントリーしていないのですが、母父父がサンデー(母父ダンスインザダーク)の
コスモシルバード、
ラブリーデイ、母母父がサンデーの
カオスモス、
レッドヴィーヴォと「サンデーのひ孫」が4頭が登録されているのは興味深い点です。
サンデーの血はひ孫の代になっても、サンデー独特の直線の伸びを補強される産駒が多く、今回エントリーしたサンデーのひ孫達も、直線の伸びを問わるレースになれば、マル外馬の1、2人気に優るとも劣らない能力を秘めています。配当面でも、東京コースの特徴を考えても、サンデーのひ孫軍団の方が馬券的には面白いのではないでしょうか。
特に
レッドヴィーヴォは、母父のサクラバクシンオー×サンデーサイレンスがニックス(相性のいい配合)で、さらに父のジャングルポケットとサンデーサイレンスもニックスの関係。いずれも東京の芝でパフォーマンスを上げる配合でもあります。
先週よりも内伸び馬場が進んでしまうと、マル外軍団に有利になりますが、外を回しても差せる馬場、展開になれば、マル外軍団以上のパフォーマンスも期待できます。
▼netkeiba.comのスマホ版「
競馬総合チャンネルby netkeiba.com」、携帯版「
競馬総合チャンネル」では、毎週金曜20時に亀谷敬正氏が週末の重賞を展望するコラム「血統ビーム的見解」を掲載中!
▼亀谷敬正氏の勝負レース、最新情報等は「
亀谷敬正オフィシャルサイト」へ