最近の栗東は一日ひと雨、毎日どこかの時間帯で雨が降ります。多いのは夜中や午前中。朝起きると車が濡れている、というのは日常茶飯事です。ゆえに馬場も悪い日々が続いています。坂路はとくに重くなっていますね。パワーがないタイプにはつらい馬場でしょうが、この馬場でも時計が出せる馬は相当パワーがあるのでしょうね。
エーシントップ、一番時計
朝日杯FSを目指すエーシントップは水曜朝一番の坂路で51.7-38.4-25.7-13.3秒で駆け上がり、この日の一番時計をマークしていました。この時期の2歳馬はまだ競馬や調教のシステムをよく理解していないこともあり、調教でもズルさを見せずに一生懸命走るものです。
エーシントップはその典型といえるタイプ。それでいて、これだけの時計を出してもバテていないのだから「スピードは見てのとおりだが、パワーも相当ある。馬場が悪くなったほうがほかの馬が苦にする分有利」(担当助手)なのでしょう。
あとは折り合い。調教で一番時計で走ってしまうほど前向きな気性だけに「2戦目の中京2歳Sのように引っ掛からなければいいが…」
それでも、押し切るだけの強さがあるのですから、中山のマイルというコース体系もトップに見方するのでは? と見ています。さらに皐月賞を見据えたとして。かなり馬場の悪化が見込まれる時期だけにこれまたトップに有利に働くように思います。
「馬体を見るかぎりは距離はもちそうだし、母系には距離実績もある馬もいる。将来はダートに行っても面白そうだし、とにかく先が楽しみだよ(笑)」
シゲルスダチ、元気一杯
大好きな鈴木さんと
そして。すみません、今週が最大の山場なので書かせてください。そう、シゲルスダチが日曜の中京メイン、尾張Sに出走します。
「オープン馬は獲得賞金がないと、なかなか出走したいレースに出れません。北九州記念2着のおかげで今はコンスタントにレースを使えていますから、これが効いている間に次の賞金を上積みしたいですね」と担当の鈴木さん。
スダチ自身は相変わらず元気なのですが、冒頭にも書いたとおり、馬場が重いのでマッチョとはいえ体の小さなスダチには少々堪えているようです。
水曜朝、坂路での調教時計は56.1-41.0-26.8-13.7秒。時間帯が違うので前述のエーシントップに比べて時計がかかるのは仕方ありませんが、12秒台のラップがひとつも刻めなかったのはちょっと残念。
それでも、メンバーはこれまでよりやや落ちます。そして、スダチ自身がレースをかなり覚えて上手になってきています。普段、あまり勝ち負けを口にしない厩舎スタッフさんから「花岡さん、今回のスダチは勝ち負けですよ。これは面白い」と声をかけられました。
スダチは毎日、カイバをしっかり食べ、にんにく味噌も舐め、ぐっすり寝て体力を維持しています。距離、メンバー、別定戦など。これだけいい条件の揃ったチャンスはなかなかありませんし、この尾張Sはなんとか勝ってほしい! そう願うばかりなのであります。