馬柱ではわからない、才能の最大値を類推するのには「血統」が最も効率的なファクターです。さらに、その才能をどう仕上げるのかの傾向を読むには「厩舎」の特徴を見るのも有効です。
「生産牧場」は、血統と厩舎の特徴を、簡単に一括りにするファクターといえるでしょう。特に最近の競馬は、生産牧場が馬を仕上げている一面もあるからです。
阪神JFは、ノーザンファーム生産馬が5年連続勝ち馬を出しています。過去5年で同牧場生産馬は20頭出走。2着馬も3頭、3着馬も1頭出しているので複勝率は45%。複勝回収率は117%。
昨年は、2着も同牧場生産の
アイムユアーズが8人気で2着。2009年も出走馬は
アパパネと
アニメイトバイオの2頭のみでしたが、その2頭が1、2着。毎年のように生産馬が上位を独占しています。
翌週の朝日杯FSも、同牧場生産馬が3連覇中。昨年の勝ち馬
アルフレード、一昨年の勝ち馬
グランプリボス、2着の
リアルインパクト、09年の勝ち馬
ローズキングダムは、すべてノーザンファーム生産馬。
ノーザンファーム生産馬が2歳GIをこれだけ席巻しているのですから、同牧場は血統、育成が飛び抜けて2歳戦に強いと言わざるを得ません。
また、阪神JFの過去5年の勝ち馬は同牧場生産馬の中でも、セールでは売買されなかった馬でした。(セールでは折り合いがつかずに、クラブが所有した馬もいるようですが)
今年の同レースも、ノーザンファーム生産馬は6頭がエントリー。上位入線が期待できた馬は、抽選で出られなかった馬の中にもいたのですから、層の厚さを感じさせます。
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