スマートフォン版へ

2013年ドバイワールドCデー第1次登録締め切り迫る

  • 2012年12月26日(水) 12時00分
 2013年も国際競走のワールドサーキットは、ドバイからスタートを切る。

 ワールドカップカーニヴァルの開幕は、1月10日(木曜日)で、3月30日(土曜日)のドバイワールドCデーまで、メイダン競馬場で11日間の開催が予定されている。具体的には、1月10日から2月28日までが毎週木曜日の開催で、3月に入るとこれが土曜日開催となって、3月9日に本番へ向けた前哨戦が組まれた「スーパーサタデー」が施行された後、日本式に言うところの中2週で3月30日のクライマックスを迎える。

 ワールドCデーの施行競走は昨年と変わっていない。賞金総額1000万米ドルのドバイワールドCを筆頭に、アラブ競走を含めて6つのG1、2つのG2、1つのG3が開催され、1日の賞金総額2725万米ドル(約23億2770万円)という、世界一リッチな競馬の夜が展開される。

 ワールドCデーの各競走への第1次登録締め切りは、1月18日(金曜日)だ。その後、2月13日、3月11日、3月25日にそれぞれ追加登録のステージが設けられているが、1月18日の時点で登録すれば登録料がかからないのに対し、2月13日だと登録するレースの総賞金の0.1%、3月11日の段階で1.0%、3月25日のステージになると10%の追加登録料を払う必要があるから、わずかでも出走の可能性のある関係者の皆様には、1月18日時点での御登録をお勧めしたい。

 メイダンの国際厩舎は、すでに12月19日(水曜日)にオープン。1月10日に幕が開くカーニヴァル開催での出走を目論んで、メイダンの国際厩舎に馬房確保の申請を行っている馬は、12月24日の段階で既に200頭近くに及んでおり、今後各国から飛来する精鋭が続々と入厩してくる手筈となっている。

 出走すれば13年の目玉になること請け合いだった名牝デインドリーム(牝4、父ロミタス)が、引退して繁殖入りすることになったために、確保していた馬房を24日の段階で取り消したのは残念だが、それでも、一流馬の証と言われるレイティング115以上を保持した馬が、すでに24頭も馬房を確保しており、ハイレベルの争いが随所で繰り広げられる気配濃厚だ。

 馬房申請を済ませた馬の中で、現時点におけるレイティング最上位馬は、12年のG1ゴールデンシャヒーン(AW1200m)を制した、バーレーン在籍馬のクリプトンファクター(セン4、父カイラキー、レイティング123)だ。ロイヤルアスコットのG1ダイヤモンドジュビリーS(芝6F)でブラックキャヴィアの5着と敗れた後、休養に入っており、まさしく虎視眈々とゴールデンシャヒーン連覇を目指すローテションとなっている同馬。早ければ、2月14日のG3アルシンダガスプリント(AW1200m)に登場し、スーパーサタデーのG3マハブアルシマール(AW1200m)から本番という路線を歩むことになりそうだ。

 レイティング第2位(122)が、フランスの大御所アンドレ・ファーブル師がエントリーしてきたメアンドル(牡4、父スリックリー)だ。欧州芝12F路線でG1・3勝という強豪で、暮れのG1香港ヴァーズ(芝2400m)でも、レッドカドゥー、ジャガーメイルに次ぐ3着に好走した同馬。目標とするのはG1ドバイシーマクラシック(芝2400m)で、場合によってはスーパーサタデーのG2ドバイシティオヴゴールド(芝2400m)で足慣らしをする可能性もありそうだ。

 レイティング第3位(121)が、イギリスのマルコ・ボッティ師が管理するプラントゥール(牡5、父デインヒルダンサー)だ。芝でもG1勝ちの実績がある馬だが、12年のG1ドバイワールドC(AW2000m)で3着に好走しており、おそらくは今年もワールドC狙いと思われる。そうなると、スーパーサタデーのG1マクトゥームチャレンジ・ラウンド3(AW2000m)に出て来る可能性もありそうだ。

 ドバイ開催と言えば、欠かせぬ役者の一人が、南アフリカの魔術師と呼ばれるマイク・
ドゥ・コック調教師で、今年もすでに17頭の大軍団を登録している。

 中でも注目が高いのが、ついに国際舞台でそのベールを脱ぐことになるイグーグー(牝5、ガリレオ)だ。南アフリカの競馬史上はじめてとなる牝馬3冠を達成しただけでなく、南アフリカの2大競走というべきG1ダーバンジュライ芝2200m)、G1J&Bメット(芝2000m)をダブル制覇。南アフリカに出現した史上最強馬とまで言われる超大物牝馬である。

 本来であれば12年のドバイ開催に参戦したかったのだが、アフリカ馬疫発生の余波を受けて出国することが出来ずに断念。国際機関との調整によって、ケイプタウンで20日間の出国検疫を行った後、モーリシャス島で90日間の隔離検疫を受ければ、イギリスに入れることが判明。さらにイギリスで30日の検疫を受けた後、ようやくドバイへの入国を許されるという、気の遠くなるような旅程を経て、参戦してくる予定となっている。

 最終的な狙いは、G1ドバイデューティーフリー(芝1800m)になろうか。長期休養明けだけに、その前の足慣らしは不可欠で、まずは2月21日に行われる牝馬限定のG2バランチーン(芝1800m)あたりに登場する公算が大きそうだ。全能力を発揮できる状態にあれば、今年のドバイ開催の主役を務める可能性もあるイグーグーの動静には、日本の競馬ファンの皆様もぜひご注目いただきたいと思う。

【お知らせ】
2012年度の更新は今回で終了となります。2013年度は1月9日から更新いたします。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング