初ダートのカレンブラックヒル、連覇を狙うテスタマッタ、復活を期すエスポワールシチー、前哨戦・東海Sの勝ち馬グレープブランデー、カペラSの勝ち馬シルクフォーチュンと、今年のフェブラリーSは有力関西馬が目白押し! 有力関西馬の最終追い切りを、調教捜査官・井内利彰が陣営とのインタビューを交えながらレポートします!(取材・写真:井内利彰)
まずは2010年フェブラリーSの覇者エスポワールシチー。主戦・佐藤哲三騎手の落馬負傷による乗り替わりで、武豊騎手が代役を務めたのがジャパンCダート。その後は松岡正海騎手が東京大賞典に騎乗し、そして今回も同騎手が手綱を握ることになる。
にも関わらず、「都合がつけば、1週前追い切りと最終追い切りには松岡君に跨ってもらう予定です」と話したのが安達昭夫調教師。あくまで個人的な意見だが「ジョッキーは前走の騎乗で感触を掴んでいるだろうし、もう8歳なんだから、そこまでする必要があるのかな?」と考えていた。しかしそれが違っていたことを今朝(14日)、実感することになる。
1週前追い切りの時点で、馬場が悪いとノメる癖があるエスポワールシチーがしっかりと最後まで走ってきたことで「すごく体調がいいのかな」と思っていたが、最終追い切りの坂路でも4F56.2〜2F24.9〜1F12.3秒と終いがしっかりした動き。もちろんノメるようなシーンはなかった。
エスポワールシチー復活の気配
ノメらなかったことについて、私が松岡正海騎手が跨ったことも影響したんでしょうか?と尋ねると、「それもあるかも知れませんが、3週間くらい前から凄く状態が良くなってきたんですよ。獣医さんもそのあたりを褒めてくれていて」と師。
そして、追い切り翌日の追い切り後の様子を見るために馬房にお邪魔して、写真撮影させていただいたのだが、その際に担当する森崎教太調教助手も「3週間くらい前から歩き方とかキャンターとかも良くなってきて、他の厩舎の方かも『良くなったなあ』と声を掛けられるんですよ」とのこと。
これはあくまで想像だが「東京大賞典の時とは状態が違うよ」ということを松岡騎手に知ってもらうために、2週続けて追い切りに跨ってもらったのではないだろうか。
2012年フェブラリーSの覇者テスタマッタ。こちらは前走・根岸Sに出走する際、村山明調教師から「球節炎の影響で