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種牡馬ごとの「小さい牝馬」成績(須田鷹雄)

  • 2013年03月01日(金) 18時00分
 今年も赤本のキックオフ会議が開かれ、新年度に向けて我々も気持ちを入れ替えつつある時期(現3歳世代からの現実逃避とも言う)。今年もなんだかんだでディープインパクト産駒が人気なのだと思うが、私がけっこう気にしているのが「ディープインパクト牝馬は小さいのが多いんじゃないか問題」だ。内容は読んだままである。

 ディープインパクト自身小柄なタイプだが、産駒は牝馬に出ると特に小さい馬が多いような気がしていた。そこで実際に確認してみよう。

 現3歳世代+その前5世代ということで3〜8歳世代のPOG期間(3歳世代については1回東京まで)における、「420キロ未満の出走馬成績」を種牡馬ごとにまとめると以下のようになる。

種牡馬、着度数、勝率、1走当たり賞金、「420キロ未満率」
ディープインパクト 13-19-12-87/131 9.9% 161万円 22.5%
ステイゴールド 13-8-7-215/243 5.3% 99万円 39.5%
ジャングルポケット 8-5-7-150/170 4.7% 51万円 18.3%
スウェプトオーヴァーボード 7-16-6-157/186 3.8% 73万円 32.3%
トワイニング 7-4-1-103/115 6.1% 74万円 35.5%
タニノギムレット 6-8-6-173/193 3.1% 40万円 20.4%
キングカメハメハ 6-3-10-152/171 3.5% 46万円 15.8%
アグネスタキオン 5-4-6-53/68 7.4% 144万円 5.8%
マーベラスサンデー 4-7-4-100/115 3.5% 42万円 23.2%
ブライアンズタイム 4-5-3-58/70 5.7% 62万円 13.4%

 ディープインパクト産駒は5歳世代からしかいないのに着度数1位、出走数も8位(表に収録されていない種牡馬もいるので)となっている。該当50出走以上の種牡馬では勝率と1走あたり賞金も1位だ。つまり、「確かに小さいのは多いが、走っている」ということになる。

 横に付した「420キロ未満率」は、該当期間内の牝馬産駒総出走数に対する、420キロ未満での出走数を示したものである。こうして見ると、私が抱いていたイメージほど「小さいディープ牝馬」の比率は高くないようでもある。同じ小柄種牡馬でもステイゴールドの方がだいぶ多い。アグネスタキオン、キングカメハメハなど他の主力種牡馬との比較で小さいイメージが増していたのかもしれない。

 これらはあくまで「小さいけど順調に使えた馬」を前提としている(使い込めなかった馬は水面下に隠れてしまう)わけだが、そこまで気にしはじめたらきりがないし、また、先述したように「小さくても走る」という傾向にあることは事実。少なくとも育成が順調に進んでいる産駒については気にする必要がないし、同じことはステイゴールドなどにも言えそうだ。

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