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初ダート大敗馬の次走芝戻り

  • 2013年04月16日(火) 12時00分
 今週のマイラーズCにはカレンブラックヒルが出走してくる。前走フェブラリーSで1番人気を大きく裏切った同馬が芝戻りでどんな走りを見せるのか注目している人は多いことだろう。

 単純に経験則でいくと、「ダートで大ハマリした馬の次走芝」は意外とすんなり好走することが多い。キングヘイローは高松宮記念でGIを勝ってしまったし、リーチザクラウンはほかならぬマイラーズCを勝っている。

 では、よりサンプルを増やした場合はどうなるか。これはカレンブラックヒルだけでなく、ダートを試して失敗した馬の取捨ということで他のレースでも参考になるだろう。

 2003年以降の500万条件以上を対象に見てみよう。この条件で初ダートを1番人気6着以下となった馬は162頭いる。

 その次走(そのまま引退した馬もいるので145頭)は

種別 着度数 勝率 連対率 単回収率 複回収率
芝 12-13-2-47/74 16.2% 33.8% 76 79
ダート 10-11-2-48/71 14.1% 29.6% 138 83

 もう一度ダートを使っているケースが多いが、これは500万条件のサンプルがほとんどであることと、負けたレースに不利や出遅れがあってダート適性が敗因ではなかったという馬が多いためだろう。

 これだとサンプルが少ないので、「初ダートを3番人気以内・6着以下」としてみると、対象はこうなる。

種別 着度数 勝率 連対率 単回収率 複回収率
芝 43-41-30-249/363 11.8% 23.1% 95 91
ダート 32-40-35-300/407 7.9% 17.7% 71 72

 こちらの芝戻りは回収率も悪くない。先のケースも含め、勝率・連対率に「ダートで失敗したダメージ」はあまり感じられないが、あとは芝戻りでのオッズ次第ということだ。初ダートで1番人気になっていたような馬は芝戻りでも人気になるので回収率が伸びないのだろう。

 そう考えるとカレンブラックヒルは「あっさり勝ち負けする可能性は十分あるが、馬券として買うべきかどうかはオッズ次第」と評価するのが妥当というところだろうか。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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