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産地馬体検査の受検頭数決まる(須田鷹雄)

  • 2013年04月19日(金) 18時00分
 前回、産地馬体検査の受検頭数が減りそうだという話を書いたが、いよいよその検査が迫ってきた。ただ今回の原稿は取材に行く直前というタイミングになってしまったので、個々の馬の話ではなく、引き続き状況・環境の話を書いてみようと思う。

 まずは問題の受検頭数から。

 毎年受検キャンセルや受検地移動などが数頭あるので100%正確な数字ではないが、一昨年→昨年→今年と、最初に出たリスト上の頭数で比べてみよう。

浦河 160頭→153頭→89頭
静内 207頭→196頭→157頭
早来初日 195頭→223頭→130頭
早来2日目 171頭→168頭→100頭

 尋常でない減り方である。早来初日に至っては昨年のほぼ半分。「終わってから苫小牧のマルトマ食堂(14時閉店)に楽勝で行ける」というレベルの頭数だ。

 前回書いたように、今年は札幌入厩という選択肢が無い(私は見ていないが、コースに競馬場改修の資材が置いてあるとか)ので直接行くとしても函館のみ。それなら直接入厩でいいし、そこへ預託上限頭数の減少が重なった結果がこれだ。さほど馬房繰りがタイトでない厩舎も含めて減っているので、札幌が無い影響は大きいのだろう。あと、「冷静に考えてみると受検しなくても問題はない」ということに気付いてしまった関係者も少なくないものと思われる。

「今年は産地馬体検査を受ける意味がない」という状況下で、それでも受検するというのはどういう動機によるものだろうか? POG的に前向きに捉えると、直接入厩にせよ枠が無限というわけではないだろうから、籍を付けられるときに付けておこうという考え方がひとつ。これは早期デビューに繋がる。

 ただ、今回の受検馬すべてに昔の産地馬体検査のイメージ(直接入厩ができなかったので、早期デビューの北海道シリーズ組が多かった)を抱くのはやめておいたほうがいい。馬主もしくは調教師の方針で「とりあえず受検」を継続しているケースもあるようだし、馬主資格継続のために籍をつける(共有馬で名前が出ていない中に一定期間所有馬がいない人もいる)場合もあるようだ。

 もうひとつ、読者としてはPOG関連媒体を読み解くうえでヒントになることがある。産地馬体検査には取材も多く来るが、そのため受検馬は記事になりやすく、評判にもなりやすい。今年は社台グループの馬が多く受検する早来の頭数が減っているので、その少ない受検馬に「評判」が集中することになるだろう。

 受検馬のドラフト人気が上がってしまうとなると、狙い目はその裏。「産地馬体検査を受検せず、かといってあちこちで取り上げられる超良血でもなく、それでいて馬は元気」という馬が人気と実力のバランスで一番良いということになるのでは……。私自身、サンチバで見た馬に愛着が湧いておすすめ馬に盛り込みすぎないよう、考えていきたい。

須田鷹雄+取材班が赤本紹介馬の近況や有力馬の最新情報、取材こぼれ話などを披露します!

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