関東のディープインパクト産駒にとってのピンチ(須田鷹雄)
◆昨年の春はかなり勝っていたので、ギャップは激しい
POGというより馬券でいま重要な要素になっているのが、「中山芝でディープインパクト産駒が勝ち切れない」という状況だ。もちろん中には勝つ馬もいるが、1〜3月の中山芝全体(古馬も含む)で見ると
年度 着度数 勝率 単回収率
2014年 4- 7-10-32/53 7.5% 35
2013年 12- 4- 5-41/62 19.4% 186
2012年 8- 9- 5-28/50 16.0% 56
2011年 2- 2- 2-15/21 9.5% 47
で、勝率・単勝回収率とも最低になっている。昨年の春はかなり勝っていたので、ギャップは激しい。
そう考えると、POGでも「関東に入るディープインパクト産駒」について考えなくてはならない。主場のひとつで弱くなっているのだから敬遠すべきか、それとも東京もあればダートもあるわけだから影響は軽微なのか、どちらが正解なのだろうか。
今年の3歳馬はまだクラシックを迎えておらずPOG期間全体だと、賞金系の指標で他世代との不平等が生じる。そこで2歳戦開始から3歳3月までという前提で「関東のディープインパクト産駒」を世代別に比較するとこうなる。
世代 着度数 勝率 1走あたり賞金
現 3歳 21- 13- 19- 87/140 15.0% 175万円
現 4歳 24- 12- 12- 69/117 20.5% 270万円
現 5歳 24- 28- 14- 76/142 16.9% 260万円
現 6歳 22- 15- 25- 76/138 15.9% 245万円
勝率の落ち込みはさほどではないが、1走あたり賞金が大きく落ちている。これは全場全レースを対象にしたものだが、中山芝に限定した1走あたり賞金だと3歳から順に183万円、320万円、345万円、258万円。全場ベースの比較よりも差は大きい。
こうしてみると、中山の馬場が変わったことは関東のディープインパクト産駒にとっては明らかなマイナスだ。ディープ産駒といえばドラフトでも人気必須。どうしても取りにいくなら関西馬にこだわったほうが良いかもしれない。