■阪神ジュベナイルF(G1・阪神芝1600m外)フルゲート18頭/登録27頭
【コース総論】阪神芝1600m外 Aコース使用
・コースの要所!
★人気薄の激走率が非常に高いコース。とくに7〜9番人気の強さが目立つ。
★なぜか内枠よりも中〜外枠のほうが好成績。迷ったときは外枠を重視で。
★中団から差せる馬が1着軸&連軸のイチオシ。そこから好位勢に流したい。
18頭立てにおける平均配当は、単勝1301円、馬連1万2505円、3連複6万1723円という非常に高いもの。3連単に至っては45万円以上と、波乱傾向はきわめて高い。人気別成績でも、7〜9番人気が複勝率19.5%、10〜12番人気が同7.5%と、人気薄での激走が多発しているのが見てとれる。自信を持って高配当が狙える、数少ないコースだ。
次に枠番だが、外回りコースが開設されて以降の大いなる謎が、妙に外枠の成績がいいこと。コース形態を考えると内枠有利になりそうなものだが、実際には内枠である馬番1〜6番の信頼度がもっとも低い。回収率や枠番値も同様で、内枠がダメというわけではないが、中〜外枠を狙ったほうがベターである。
直線の長い外回りコースであり、瞬発力は勝ち負けの必要条件。勝率がもっとも高いのは、4角を6〜10番手で回っていた「差し脚質」の馬だ。11番手以下からでも届くが、この場合は取りこぼしが目立っており、回収率も低め。「中団から差せる馬」を1着軸や連軸に選び、そこから先行勢に流す馬券が、いちばん効率が良さそうだ。
【レース総論】阪神ジュベナイルF(G1) 過去9年
・レースの要所!
★5番人気以内馬が[9-6-5-25]と強く、10番人気以下は[0-1-1-79]と期待薄。
★瞬発力の要求度が恐ろしく高いレース。前走上がり順位2位以内が必須条件。
★勝率が高いのは外枠からの差し馬だが、人気馬なら内枠もかなりの好成績。
1番人気は[2-2-1-4]で勝率22.2%、連対率44.4%とそこまで強くはないが、勝ったのはすべて5番人気以内馬。トータル[9-6-5-25]で連対率33.3%、複勝率44.4%と、かなり人気サイドが強い結果となっている。当然、ふたケタ人気馬は[0-1-1-79]と期待薄で、人気薄を狙うとしても7〜9番人気あたりまで。無茶な大振りは避けたいレースである。
馬番別成績で目立っているのが、外枠である馬番13〜18番の「勝率の高さ」だ。過去9年で5勝をあげており、そのすべてが中団〜後方から差しての1着。能力と瞬発力のある馬であれば、ゴチャつく内で脚をタメるよりも、大外をブン回してスムーズに差すほうがベターなのだろう。このあたりが、まだ精神的に未熟な2歳牝馬らしさだ。
ただし、「外枠優勢」ではないという点にご注意を。5番人気以内馬に限定した馬番別データでは、連対率、複勝率ともに内枠がトップなのである。勝率はやはり外枠のほうが高いが、トータルの信頼度では内〜中枠のほうが上。人気馬を1着固定で狙うならば外枠がベターで、連軸としては内〜中枠のほうがベターと考えたい。
脚質については、コースデータ同様に差し優勢。4角を5番手以内で回った馬は、なんと1頭も勝てていない。もっとも信頼度が高いのはやはり「中団待機組」で、そこから速い上がりで一気に突き抜ける──というのが、勝ち馬のイメージ。高いレベルの瞬発力が必須であるのは、前走上がり3F順位別成績からも明らかである。
あとは、G1らしく「継続騎乗>乗り替わり」であることや、前走ファンタジーS組を筆頭とした距離延長組がイマイチであること、ここが昇級戦である馬のほうが大幅に勝ち越していることなども、ぜひ意識しておきたいポイント。絞り込める材料が多いレースなので、事前にしっかり予習しておきたい。
【馬場&血統総論】・現在の馬場
引き続きAコースでの開催。先週はやや前に有利な馬場だった印象を受ける。
・天候予測
良馬場の可能性が高いが、木曜日〜金曜日は雨。パンパンの良ではないか。
・注目血統
ディープインパクト産駒◎、ハービンジャー産駒○、ステイゴールド産駒▲、マンハッタンカフェ産駒△、ダイワメジャー産駒△
開幕週でもあり、先行勢がよく粘っていた先週の阪神芝コース。差した馬も中団待機組がほとんどで、後方一気が決まりやすいような状況ではないという印象を受けた。今週は木曜日〜金曜日に相応の降水量がありそうで、良馬場発表でもそれなりに含水率の高い馬場となりそう。中団のポジションが取れるかどうかが、勝負を大きく左右しそうだ。
瞬発力型のコースらしく、種牡馬別ではディープインパクト産駒が連対率29.5%、複勝率39.8%という猛烈な強さを見せた。驚いたのがハービンジャー産駒で、勝率21.7%、連対率34.8%と、信頼度の高さはなんとディープ産駒以上。あとは、回収率が非常に高いステイゴールド産駒も、コース適性はきわめて高いといえる。逆に、意外なほど適性が低いのがキングカメハメハ産駒で、信頼度、回収率ともに低調。過信は禁物である。
★出走登録馬・総論×各論 登録馬27頭のうち18頭が収得賞金900万円以上で、収得賞金400万円以下の9頭は下手すると抽選にもならないという、近年のこのレースでは珍しい状況に。アンシエルワープの回避が濃厚とのことだが、それでも9分の1という猛烈な「狭き門」だ。実際どうなるかは現時点では読めないので、確実に出走可能な18頭を分析の対象としている。
勝ち負けの必要条件は、「前走4着以内」かつ「前走上がり3F順位2位以内」であること。瞬発力の有無がいかに重要なレースであるかは、これまでに解説した通りである。付け加えるなら、直線の長い競馬場や外回りコースなどで記録した、速い上がりのほうがベター。こういった点を踏まえつつ、各論へと入っていこう。
18頭のうち、前走での上がり3F順位が2位以内だったのは、アットザシーサイド、アドマイヤリード、ウインミレーユ、クロコスミア、クードラパン、デンコウアンジュ、メイショウスイヅキの7頭だけ。このうち、メイショウスイヅキは前走のファンタジーSで6着に敗れているので、条件をクリアできない。つまり、好走の必要条件を満たすといえるのは、たったの6頭なのである。
トップ評価は、前走アルテミスSを最速上がりで制している、
デンコウアンジュだ。この血統とは思えないほど高いレベルの瞬発力を有しており、2走前に芝1800m戦に出走しているのも、プラス評価の対象。鞍上が乗り替わり予定であるのは割引材料だが、それでもここでは「断然」といえる存在。主役を張れる器であるのは間違いない。
二番手評価は
クロコスミア。鞍上が継続騎乗の予定であることや、ステイゴールド産駒という血統面などを考えると、こちらをトップ評価にする手もありそうだ。東京芝1600mの赤松賞を、好位から2位の上がりで差し切った内容からも、文句なしに「買い」といえる1頭。割り引く材料はまったく見当たらず、好勝負必至といえる。
三番手評価は
アドマイヤリード。デビュー戦でシルバーステートを差し切ったのがフロックではないことを、前走の白菊賞で証明してみせた。まだ荒削りな面はあるが、その末脚のキレは一級品。名伯楽・松田博調教師が管理する牝馬というのも魅力的で、こちらも鞍上が継続騎乗予定のステイゴールド産駒。あとは、鞍上がどう乗るか次第だ。
四番手に
ウインミレーユ。これまたステイゴールド産駒で、前走は京都芝1400m外のりんどう賞を、最速上がりで1着。そこで2着だったメジェルダが、次走のファンタジーSで2着に好走しているのも、能力の証明といえる。そして五番手に、アルテミスSが「負けて強し」の内容だった
メジャーエンブレム。能力だけなら、この馬が最上位だろう。
以下は、クードラパン、アットザシーサイド、キャンディバローズ、メジェルダ、メイショウスイヅキといった評価順。デンコウアンジュとクロコスミアが「二強」で、少し離れてアドマイヤリードやウインミレーユ以下が続く──といった序列である。あとは、枠番と当日の人気次第。ソコソコの配当を、狙って獲りたいものである。
■総論×各論・先週の馬券回顧
中京11レース チャンピオンズC(G1)
1着 04サンビスタ
2着 01ノンコノユメ
3着 02サウンドトゥルー
(∩゜Д゜) アーアーキコエナーイ……と、レース直後に軽く現実逃避したほどの大ハズレ。ハイペースで展開が向いたとはいえ、サンビスタの完勝はさすがに想定外でした(無能)。それにしても、ノンコノユメが通ったコースといい、サンビスタの道中の位置取りといい、外国人ジョッキーの「内」にこだわる姿勢はさすが。上位2頭&下位2頭という極端なレース結果も、日本人ジョッキーとの違いを端的に物語っている気がしますネ。
※コース&血統データは2012年以降、レースデータも2012年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。