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こぶし賞3着 期待の3歳馬ルグランフリソンの手応え

  • 2016年03月01日(火) 18時00分
小牧太

笠松での落馬や期待の3歳馬について、はてはファンへの謝罪(!?)までお届け!


橋口厩舎の“ラストラン”となった先週は、残念ながら有終の美とはなりませんでしたが、宣言通りの男泣きで、橋口師に感謝の気持ちを伝えた小牧騎手。13年間の思いが十分に伝わってきた1日でしたね。その舞台裏については来週じっくりと振り返っていただくとして、今回はユーザーからの質問を皮切りに、笠松での落馬や期待の3歳馬について、はてはファンへの謝罪(!?)まで、盛りだくさんの内容でお届けします!
(取材・文/不破由妃子)


ファンに悪いことしてしまったなぁ

──今回もたくさん質問が届いています。まずは、「小牧さんの交流重賞での騎乗が少ないのが残念です。地方出身のJRAジョッキーが交流重賞でしのぎを削る姿が見たいです。騎乗依頼がないのか、減量の問題などで依頼があっても断っているのか、いずれにしても交流重賞での騎乗に期待しています」とのことです。

小牧 今は交流重賞に一緒に行くようなお手馬がおらんもんね。5、6年前には、アドマイヤスバルとかでよう行ってましたやん。そういう馬がいて、声を掛けてもらえれば、もちろん行きますよ。普通の交流戦はあんまり行かんけどね。

──この2月には、めずらしく笠松の交流戦に行かれてましたよね(クリノバトゥーラ)。でも残念ながら、競走中止になってしまって…。

小牧 そうそう、可哀そうやったわ。乗る前に、「ちょっと左前が硬いけど、大丈夫やから」って言われたんですわ。ちょっと嫌な予感はしたんやけど、返し馬では全然そんな素振りを見せんかったから、大丈夫やなと思ったら、案の定、左前がね…。その脚で僕の後ろをずっと付いてこようとして。可哀そうで見てられんかった。

──そうだったんですね。小牧さんは大丈夫でしたか? すぐに起き上がったので、ホッとしたんですが。

小牧 うん、僕はどうもない。あれね、馬が止まりかけたから大丈夫だったんですわ。あのまま普通のスピードで走っていたら、馬と一緒にひっくり返ってたと思うけど、止まりかけて姿勢が低くなったところでコロンと落ちたから。

──馬は残念でしたが、小牧さんにお怪我がなかったのは何よりです。続いては、「“馬が途中でレースを止めてしまう”というコメントをよく目にしますが、それはどんな状態なのですか? また、その際の対処方法は?」という質問です。

小牧 どんな状態かっていったら、勝手にギアを落として止まろうとする感じやね。だいたい走らんようになるっていうのは、止まろうとする気持ちがあるから走らんようになるんでね。そこで、ジョッキーはエンジンをもう一度掛けるようなつもりで、ステッキを入れるんですわ。あとは、ハミをグッと掛け直したりね。

──途中で止めようとする馬ってけっこう多いですよね。

小牧 多いというか、みんなでしょ。追うっていうことは、止めようとするから追うんであって。勝手に走ってくれる馬は追う必要がないからね。みんなそんなに気持ちよく走ってるわけじゃないねん。馬もしんどいはずやで。

──続いては、ルグランフリソンについての質問です。「この春のマイル路線でルグランフリソンに期待しているのですが、先行したほうがいいのか、差したほうがいいのか、小牧さんはどう思われますか? 2走前(1月31日・京都7R)の脚は強烈でした」というものです。

小牧 この前のこぶし賞(2月14日・3着)は、完璧に乗ったつもりなんやけどなぁ。スタートも出たしね。それこそあの馬ね、先頭に立つと止めるんですわ。その前の出遅れたレースではすごくいい脚を使ったから、ああいうレースのほうが合うかもしれん。僕、進路を外に切り替えたでしょう。あそこで切り替えんで待ってたら、勝ってたと思うわ。あれはロスやったね。

──以前から「難しい」とおっしゃっていた馬ですよね。

小牧 そうそう、すぐに頭を上げるから怖くてね。すごく乗りづらい馬やったんやけど、この前からメガネなんとかっていう馬具を付けたんですわ。そうしたらすごく良くなって、だから抑えが利いた。まぁそれでも3着やったから、やっぱり後方からの競馬のほうがいいんちゃうかな。厩舎の人にもそう伝えましたけどね。次も乗せてもらえるかどうかはわからんけど、乗れるなら2走前みたいな脚を引き出したいね。

──話は変わりますが、今年はバレンタインデーが競馬開催日でしたね。さぞかしたくさんチョコレートをもらったのでは?

小牧 いやぁ、実は悪いことしてしまったと思ってんねんけど…。あの日、ようけ乗ってたでしょ(9鞍)。ウィナーズサークルでファンの人が袋を振っているのが見えたんやけど、なんせドロドロやったし忙しいしで、もらいに行けなかってん。レースがずーっと続いてたからね。でも、あとから考えたら、せっかく持ってきてくれたのに悪いことしてしまったなぁと思って。この場を借りて、すみませんでした。
小牧太

せっかく持ってきてくれたのに悪いことしてしまったなぁと思って。この場を借りて、すみませんでした

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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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