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真ん中よりも内か外かが超重要!/函館記念

  • 2016年07月13日(水) 18時00分

■函館記念(G3・函館芝2000m)フルゲート16頭/登録16頭


【コース総論】函館芝2000m Bコース使用

・コースの要所!

★イメージよりも人気薄の好走率が高い。7〜9番人気はとくに狙い目。
★完全に内枠有利。馬番1〜8番を重視するだけで、馬券が当たりそう。
★直線が短く先行有利。後方から追い込むのは不可能だと考えるべき。






 ホームストレッチ側の引き込み線からスタートし、コースをぐるりと1周するという形態の、函館芝2000m。3〜4コーナーにかけてが下り坂で、さらに最後の直線が262mしかないため、当然ながら前が止まらない。このあたりは馬場状態やペースにもよるが、この「圧倒的に前が有利」という前提は、しっかり頭に叩き込んでおきたい。

 人気別成績を見ると、人気薄の好走率が意外なほど高いのが見てとれる。人気サイドの信頼度は「並」以下で、対照的に素晴らしい成績を残しているのが、7〜9番人気のゾーン。勝利数はわずか1回ながら、2着が11回、3着が6回で複勝率20.7%という、にわかに信じがたいほどの結果を残している。10〜12人気も侮れず、人気薄を積極的に買うべきコースであるのは間違いない。

 枠番別成績は、ハッキリと内枠有利。単純に内外を比較したデータでは、勝率、連対率、複勝率もいずれも「内のほうが外よりも2倍ほど高い」という、いささか極端なほどの成績差が出ている。枠番値も明らかに内のほうが高く、内枠有利&外枠不利であるのは明白。真ん中よりも内の枠番に入るかどうかは、結果を大きく左右する。

 脚質別成績が先行勢有利となるのは、コース形態からも当然の話。データ母数が少ないので信頼度が低いとはいえ、4コーナーを11番手以下で回った馬が全滅しているのは、重く受け止めるべきだ。コーナーからマクリを打てる馬ならともかく、コーナーでの加速が苦手なタイプには鬼門となるコース。やはり、先行勢重視が鉄則である。

【レース総論】函館記念(G3) 函館過去10年(9回)

・レースの要所!

★1番人気はわずか1勝と低信頼度。7〜9番人気を積極的に狙いたい。
★コースデータの通りに内枠有利。馬番1〜3番は人気薄でも要注意。
★コースデータよりは差せるが前有利。中団より前の位置が欲しい。
★4歳馬など若馬が強いレース。ハンデは「適度に背負う」馬が強い。









 1番人気が[1-2-0-6]と期間内に1勝しか挙げておらず、複勝率33.3%と信頼度も低い、函館記念。2011年以降はすべて4着以下と、さっぱりアテにできない。しかし、勝つのはなんだかんだで人気サイドが多く、単勝の平均配当は823円と低めの水準。それでいて、馬連平均は7270円、3連複平均は2万3747円という高さで、ヒモ荒れ傾向が強いレースだといえそうだ。

 とくに好成績なのが、コースデータでも絶好調だった7〜9番人気のゾーン。毎年のように馬券絡みを果たしており、3着以内に2頭が好走するケースも少なくない。10番人気以下がトータル[0-2-0-53]と不振であるのを考えると、2〜6番人気を1着候補に置き、そこから7〜9番人気を経由する3連単や3連複のフォーメーションなら、効率よくソコソコの配当を仕留められそうだ。

 枠番はコースデータ通りに、完全に内枠有利&外枠不利。とくに馬番1〜4番の成績は素晴らしく、複勝率38.9%、複勝回収率160、枠番値プラス1.1と信頼度の高さと爆発力を兼ね備えている。馬番1〜8番のボックスを買っても儲かりそうな勢いで、真ん中よりも内か外かで、評価は大きく変わる。

 脚質面は「コースデータよりはナンボか差せる」という印象だが、それでもやはり先行勢のほうが好成績。最悪でも4コーナーで9番手以内にいないと、勝ち負けには持ち込めない。年齢別では、5歳以下の若い馬のほうが成績がいい傾向にあり、もっとも信頼できるのは[2-3-2-8]で複勝率46.7%を誇る4歳馬。6歳以上馬もフツーに来るが、効率を考えると、若い馬を重視したほうが絶対にいい。

 ハンデは「重すぎても軽すぎてもダメ」で、斤量54〜57キロ馬が中心となる。軸足を置くべきは56〜57キロのゾーンで、関西馬であれば信頼度はさらにアップする。あとは、勝ち馬に関してはおおむね素直で、前走での着順が結果に繋がりやすいというのも、覚えておきたいポイント。ネオリアリズムやマイネルミラノのように、前走重賞で4着以内だった馬は、それだけで買う価値アリだ。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 A→Bコース替わり。日曜日が前残り天国だっただけに今週も「前」か。

・天候予測
 中間で多少の降雨はあるが、週末は好天の見込み。良馬場前提で。

・注目血統
 キングカメハメハ産駒◎、ハーツクライ産駒○、ネオユニヴァース産駒▲、クロフネ産駒△

 2回函館開催へと入り、今週からBコースへとシフト。先週の函館芝は、土曜日はそれなりに差せていたのだが、日曜日は前が「残りまくり」の先行馬天国と化していた。もともと前が残りやすいコース形態の競馬場でもあり、今週も引き続き前が残りやすい状態になると予測。コース替わりで内の馬場が良化するのだから、なおさらだ。

 種牡馬別では、キングカメハメハ産駒が文句なしのトップ評価。勝率、連対率など信頼度の高さはもちろん、回収率も抜群に高いという、素晴らしい適性の高さを見せている。あとは、回収率は低いが信頼度は高いハーツクライ産駒や、複勝回収率の高さが目立つネオユニヴァース産駒、出走数は少ないが意外に上位へと食い込んでいるクロフネ産駒あたりを、プラス評価の対象としたい。

★出走登録馬・総論×各論

 特別登録が出た段階で「コレはまたとんでもなく難解な……」と頭を抱えた、今年の函館記念。トップハンデ57.5キロを背負うトーセンレーヴを筆頭に、今年の巴賞を制したレッドレイヴン、昨年の覇者ダービーフィズなど、まさにどこからでも入れるメンバー構成である。今年も昨年同様、そうそう順当には決まらないだろう。

 また、枠番による影響が非常に大きいレースであるのも、これまでに繰り返し解説した通り。それ次第で評価が劇的に変わることを、ご承知おきいただきたい。ちなみに本稿の執筆段階では、netkeiba.comの予想オッズ1番人気はレッドレイヴン(3.9倍)、2番人気がマイネルミラノ(5.1倍)、3番人気がなんと格上挑戦のバイガエシ(5.4倍)だ。

 トップに評価したのはマイネルミラノだ。前走エプソムCで3着に好走しているのは非常に大きく、徹底先行型の脚質も大きなプラス。鞍上が丹内騎手に乗り替わる想定だが、乗り慣れている鞍上へのスイッチであり、気にする必要はないと思われる。また、2〜3番人気あたりに推されそうなのも好材料である。

 二番手評価にマテンロウボス。巴賞で2着に好走しておりソコソコ人気を集めそうだが、関西の5歳馬であり近走内容もよく、父キングカメハメハと血統面での後押しもあるという、買いやすいパターン。もう少し前に行けたほうが安心感があるが、このあたりは騎乗予定の四位騎手の手綱さばきに期待したい。

 三番手評価にネオリアリズム。騎乗予定のカリス・ティータン騎手は、香港で昨年リーディング3位の実績を持つ若手である。前走の小倉大賞典では、アルバートドックに0秒1差の3着に好走するなど充実一途で、久々になるが堀厩舎だけにキッチリ仕上げてくるはず。初の函館芝も、この血統ならば問題ないはずだ。

 四番手評価に、ハンデ57キロを背負うマイネルフロスト。いかにも函館記念で来そうなタイプで、7〜9番人気あたりに推されそうというのも強調材料。前に行こうと思えば行けるタイプであるのも、プラスである。五番手評価にファントムライト。ハンデ55キロは恵まれた印象で、前走の天皇賞(春)は完敗だったが、ここでは上位といえる能力の持ち主であるのは間違いない。

 以下は、トゥインクル、レッドレイヴン、バイガエシ、フェイマスエンドという評価の序列も、当日の人気や枠番によって、このあたりは思いっきり上下しそう。ここまでに名前を挙げなかった馬でも、馬番1〜4番に入ったら当然のように押さえる所存だ。順当には決まらないと決め打ち、高配当を積極的に狙ってみたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧




福島11レース 七夕賞(G3)
1着 08アルバートドック
2着 04ダコール
3着 12オリオンザジャパン

天の川への願い、ハナ差で叶わず(#^ω^)ビキビキ
ゴールした瞬間は、01マイネルラクリマが3着に残してると思ったんだけどなあ(嘆息)。しかも08→04→01の3連単も持ってたので、痛さ倍増。つーか激痛。ひと頃よりはだいぶマシになってきた気がしますが、本調子にはまだまだ遠いなあ……とほほん。

※コースデータと血統データは2012年、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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