最後には安藤勝己元騎手とのちょっと微笑ましいエピソードも!
今回お届けするのは、毎日王冠(クラレント)、京都大賞典(ヒットザターゲット)、六社特別(ビップライブリー)のレース回顧。思うようにいかなかった点もあれば、思った以上に上手くいった点もあり、改めて競馬、そして競走馬の難しさを実感させられます。そして、最後には安藤勝己元騎手とのちょっと微笑ましいエピソードも!
(取材・文/不破由妃子)
ヒットザターゲットは、まだ十分やれそうやね!
──今回は、10月のレース回顧を。まずはクラレントの毎日王冠ですが、好位追走からもうひとつ伸び切れませんでしたね(10着)。
小牧 ん〜、あれはもうしょうがないね。僕はハナに行く気満々で、肩ムチを入れて出して行ったんやけど…なんせ馬が全然行こうとせん。豊くんの馬(ディサイファ6着)のほうが全然速かったね。最初だけじゃなく、道中の反応も今ひとつやったし。
──反応の悪さというのは、毎日王冠で改めて感じたことですか?
小牧 いや、安田記念のときも行かなかったでしょう。気持ちの問題なのか、年齢的なものなのか…。気持ちひとつでもっと走れそうな感じはするんやけどね。
──早いもので、クラレントももう7歳ですからね。その点、8歳のヒットザターゲットはまだまだ元気。京都大賞典は、勝ったキタサンブラックからわずかにコンマ4秒差でしたね。
小牧 うん。もう少し前が流れていたら、おそらく(上位に)きてたね。それにしても、馬場が良くていい位置が取れると、まだまだあれぐらい走れるんやなと感心したわ。8歳馬やけど、まだしばらくは十分やれそうやね。
──しかし、8枠から内ラチ沿いへの進路取りはお見事でした。思わず、「よし!」って声が出ましたよ。
小牧 あそこね、よう入れたよね。あんないい位置に入れるとは僕も思わんかったから。
──やはり馬場もそうですが、位置取りが決まるとあの馬は違いますね。
小牧 うん、やっぱり内に入ったら違うね。それでも去年の競馬を思うと、GIでは内に入ってもちょっとしんどい競馬になってしまうけど。GII、GIIIなら十分勝てるチャンスはあると思うわ。
──ちなみに、次走は決まっているんですか?
小牧 いや、まだ決まってないみたい。
──ジャパンCかアルゼンチン共和国杯か、あるいは金鯱賞か…。
小牧 ん〜、僕からは何とも言えん。2000mだとちょっと短いような気もするし、2400mだとちょっと噛んでるから、距離的にはギリギリやろうね。いずれにしても、ちょっと間隔を空けるような話だわ。
──それにしても、8歳馬にして、ジョッキーに「まだやれる」と言わしめる馬はなかなかいませんよ。
小牧 そうやね。僕が乗り始めてからしばらく経つけど、あの馬はいい意味で何も変わらん。相変わらず人間に気を遣わせることがまったくない馬で、本当に枠順だけや。
──でも、外枠になったとしても、この前のような進路取りができれば…。
小牧 いや〜、あれはたまたまですわ。頭数も少なかったしね。普通は外枠からあんなところに入れないから。
──続いてはビップライブリーの六社特別。条件戦ながら、「小牧さんのレース回顧が聞きたい」というリスエストがたくさん届いています。
小牧 あれは引っ掛かった…。スタートでポンと出てしまってね。内がずーっと空いてたから、壁を作れんかった。一瞬、行こうかなと思ったけど、行ったらもうダメでしょう。あの馬はちょっと難しいです。それにしても、下手くそに乗ってしまったわ。反省してます。
──スタートも含めて、まだまだ課題がありそうですね。
小牧 そうやねぇ。このあいだは馬もイレ込んでたしね。もうちょっと落ち着いてくれたら…。タメれば切れるのはわかってるからね。
──スタートで少し遅れるくらいがちょうどいい。
小牧 そうそう、それがベストなのかもしれん。わざとゆっくり出すこともできるけど、ちょっとタイミングがズレると、大きく遅れてしまうことにもなりかねんし。頭ひとつくらい遅れるのがちょうどいいんやけど。
──新馬戦から期待していた1頭ですが、馬に対する評価に変わりはないですか?
小牧 うん。間違いなく能力はある。さっきも言ったけど、精神面でもう少し成長してくれれば、安定して力が出せるようになると思うんやけどね。
──まだ3歳ですからね。小牧さんと一緒に上を目指してほしいです。
小牧 うん。ずっと乗せてもらいたいね。話は変わるけど、昨日、一昨日とゴルフに行っていて、安藤(勝己)さんとずっと一緒だったんですわ。で、さっき見たら、いつの間にか携帯の待ち受け画面が安藤さんとの2ショットになっていて…。ほら、見て。
──ホントだ! しかも、お二人ともめっちゃ笑顔じゃないですか(笑)。
小牧 まったくいつから変わってんやろ? 自分の携帯とはいえ、僕はやり方がわからんから、知らん間に誰かがこっそり変えたんやな(笑)。
僕はやり方がわからんから、知らん間に誰かがこっそり変えたんやな(笑)