エアスピネルは100%の仕上がりを感じさせる動き
3週前あたりの積雪の影響が落ち着き、先週末の競馬はスムーズに開催。全国的にも29日、30日と暖かい日が続いたので、少しずつ春へと近づくと思いきや、31日の栗東トレセンは再びの雪。とはいっても、うっすらウッドチップを覆う程度の雪でしたが、CコースもDコースも真っ白。もちろん坂路馬場も真っ白でしたが、閉鎖や時間変更になることもなく、スムーズに調教が行われています。この状況を見ていると、やっぱり2月も油断することはできないといった感じ。
うっすらウッドチップを覆う程度の雪が降った栗東トレセン(1月31日撮影)
でも雨も降らず、霧で見えないこともない追い切りなら、多少寒くても文句は言えません。1日の追い切りもしっかりと双眼鏡越しに確認することができました。その成果をきっちりと発揮したい週末の予想。ウマい馬券では皆様の期待に応えることができていないだけに、なんとかいいところを的中できるように頑張ります。
【東京新聞杯/エアスピネル】
菊花賞以来の休み明け、年末年始を挟んだ調整の難しい時期ということもあり、前走京都金杯は目一杯の仕上げでなかったことは確か。それでもきっちり勝ち切ったあたりはマイル戦での能力の高さを示すもの。前走後は栗東に在厩しての調整ですが、順調に上昇の一途を辿っているといった感じ。
それを感じたのは、1週前追い切りでの動き。ミヤビベストを追走して先着した動きはほぼ100%の仕上がりを感じさせる動きでした。その分、最終追い切りの内容は軽くなりましたが、それでもラスト1Fが最速になるラップは踏んでいます。よほどのことがないかぎり、凡走するシーンは想像できません。
エアスピネルが凡走するシーンは想像できない(1月31日撮影)
【東京新聞杯/ブラックスピネル】
1週前のセネッティと坂路での併せ馬。1F目から12.9秒のラップを踏み、その後も12秒台を持続。4F50.2秒をマークしていますが、これは自己ベストを更新する時計。これまではマイル以上の距離に対しても出走意欲があっただけに、ここまで攻めた内容ではありませんでしたが、照準をマイルに絞ったことで、ここまでスピード調教ができるようになったという印象です。
最終追い切りは少し軽めになると思いきや、なんてことありません。M.デムーロ騎手が跨って、今週も1F目が12.9秒。その後の12秒台持続は同じですが、4F目12.5秒は先週より速い数字。その分、先週より速い時計となり、4F49.8秒なんて猛時計になりました。状態に関しては申し分なく、あとは速い上がりの決着になった時に上位争いができるかどうかといった適性面での評価になります。
状態に関しては申し分ないブラックスピネル(1月31日撮影)
【東京新聞杯/ブラックムーン】
前走は年末年始の調整ということで、12月31日に追い切って、年明けは追い切らずに出走。馬体重に大きな変動はなく、それがレース結果に影響したとは考えにくいと思います。それ以上に内枠でレースがしにくい状況だったことが最大の敗因だと考えています。そういった意味では、追い切り内容を見て前走から巻き返すかどうかという判断は難しいところ。逆にキャピタルSと同じような最終追い切りであれば、結果を出せるだろうとイメージしていました。
そうすると、最終追い切りがCW。キャピタルS時が坂路だったので、この点は違います。しかし、西宮S時の最終追い切りがCWだったので、それに関しては決して減点ではありません。動き自体は目立ちませんが、ラスト1Fが最速になるきれいな加速ラップを踏めており、状態に関しては悪くありません。あとはキャピタルSのようなレースをして嵌るか否かでしょう。
ブラックムーンの状態は悪くない(写真中央:2月1日撮影)
【きさらぎ賞/サトノアーサー】
デビュー戦は同着での勝利でしたが、前走シクラメン賞は圧勝。1度レースを使ったことで、いろんな意味での上積みがあったように思います。そこから2ヶ月ほどのレース間隔をあけての今回。1月19日のCW追い切りの時点で、明らかに成長を感じる走り。なにせプロフェットが一杯に追うところを馬なりで先着するのですから、ちょっと前まで2歳だったとは思えません。
1月26日の1週前追い切りはCWで6Fから時計を出して、サトノラーゼンに先着。そして、最終追い切りは前走時同様、4Fから時計を出して、シルバーポジーに先着。追われてからの反応も素晴らしく、1F11.5秒の伸びは2月1日の追い切りの中でも特筆できる動きだったと思います。これから先、もっと進化していくだろう素質馬ですが、現時点でも前走以上の状態であることは間違いなく、ここでどんなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみです。
前走以上の状態であることは間違いないサトノアーサー(写真内:2月1日撮影)
【きさらぎ賞/アメリカズカップ】
タイトルはアメリカズカップにしましたが、ここは音無秀孝厩舎の2頭という意味で内容を展開します。まずアメリカズカップは31日の調教を見た時に脚の捌きや活気ある動きが魅力的だったので、同厩舎ではこちらを評価したいという意味でタイトルにもしています。ダンビュライトに関しては、前走を「追い切り内容が軽すぎた」と調教師。その反省から、この中間は4F51秒台の追い切りを2本消化して、最終追い切りを迎えています。
併せ馬で最初に遅れかけたのはアメリカズカップ。このまま差をつけられてしまうかなという感じでしたが、最後はまた盛り返してきて、ほぼ同入でのゴール。どちらも自己ベスト4F時計を更新する数字。前走の着順が悪く、どちらも今回が正念場といった感じですが、調教内容からこの2頭が互いに切磋琢磨していることは間違いなく、いい状態という意味で甲乙つけるのが難しいと思います。
脚の捌きや活気ある動きが魅力的だったアメリカズカップ(1月31日撮影)
◆次走要注意
・1/28 白富士S【ピンポン】(11人/7着)
いきなりの3000mから2000mの今回。ダートで実績を残した時のように後方一気のレースを試みて7着。結果は悪くても、内容は決して悪くなかったと思います。
上がりが速すぎただけなので、時計を要する中京芝あたりなら、きっちりと追い込みが届きそう。次走もしっかり調教してくれば。
[メモ登録用コメント] [芝中京]調教タイプが標準多め併用系統なら勝ち負け
・1/29 シルクロードS【ソルヴェイグ】(2人/6着)
ウマい馬券で無印にしましたが、思った通りの負け方でした。18キロの馬体重増。これは間違いなく、次走への上積みという意味でプラス。体が戻ってきたからこそ、スプリンターズS時のような動きではなかったという自分の見方が間違っていなかったと思っています。
次走は自然と体も減ってくるでしょうが、それ以上に今回ハナに行った経験や動きに上積みが出るはず。もし阪急杯を使うようならそこでも勝ち負けでしょうし、高松宮記念でも当然勝ち負けを期待できる状態になると思います。
[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りが馬なりで栗東坂路1F11秒台なら勝ち負け
◆今週の追い切り特報
・【ピオネロ】
東海Sはレース内容に問題ありというのが個人的な判断。しかし、今朝1日のCWでの動きを見ると、やはりひと叩きした効果があるという気もしてきました。とにかく素軽い走りで自ら前へ前へといった感じ。次走は未確定なので、ここでは断定して書くことができませんが、どこに出走したとしても、勝ち負けが期待できる素晴らしい状態だと思います。
次走は勝ち負けが期待できるピオネロ(2月1日撮影)
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