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【海外の現場(1)】休養中の中谷雄太騎手が“世界最大規模”のキーンランドセールを現地レポ

  • 2018年09月10日(月) 18時01分
海外競馬通信

▲毎年足を運んでいる矢作調教師(右)、今年は中谷騎手(左)も同行することに


4月8日の福島競馬で落馬し、頚椎骨折、胸椎骨折の診断を受け、現在休養中の中谷雄太騎手。長期入院を経て、先月退院しました。復帰に向けてはまだ時間がかかるとのことですが、「騎乗している時にはできない経験をしたい」と思っていた矢先、普段からお世話になっている矢作芳人調教師から、海外のセリへのお誘いをいただいたそうです。キーンランドセールといえば、アメリカで開催される世界最大規模のセリ。現役騎手の視点から見えるものとは。期間中、全3回(予定)にわたって現地レポートをお届けします。

自分が競馬に戻るためにも、競馬の根底の部分を見たい


 netkeibaをご覧のみなさんこんにちは。騎手の中谷雄太です。

 4月の頭に落馬して8月の半ばまで入院していたのですが、無事に退院に至りました。

 骨折した頚椎が完全にくっつくまでにはもう少し時間がかかりそうで、焦らずしっかり治すことを最大の目標として、年明けあたりに復帰できたらと思っています。万全の状態で復帰できるように、まずはしっかりと治したいと思います。

 で、話はかわりますが…!

 今回長期で休養していることもあり、矢作先生から、キーンランドセールに付いて来ないかというお話をいただき、同行させていただくこととなりました。

 騎手として競馬に乗っている時には、秋の開催も始まっているので、この時期に海外に行くことは(乗りに行くのは別として)リスクが高いと思うし、これまでも海外に行きたい気持ちはあったけども、自分の判断だけで決めることができないのもあるので、今回こういうお話をいただいたことで、普段騎乗している時にはできない経験をしたいと思って、同行させてもらうことになりました。

 ファンの方々は、騎手がセリに行ったからといってプラスになることは少ないと思っていると思うし、僕自身もそれによって技術や勝ち星が上がるとは思ってないけど、本当に少しでも違う感覚が生まれてくれればと思っています。

 今回の落馬でしばらく競馬の現場から離れていて、気持ち的に落ちてないかと言ったら嘘になります。自分が競馬に戻るためにも、競馬の根底の部分をもう一度見て、また早く乗りたいと思えるようになりたいと思います。

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▲完全にはくっついていない首に気をつけながら、長時間のフライト経てアメリカへ


合計13時間のフライトを経て、目的地に到着!


 8日の朝に成田空港を出発して、約11時間のフライトで経由地のダラス・フォートワース国際空港(テキサス州)に着きました。そこからトランジットで4時間、さらに約2時間のフライトでレキシントンのブルーグラス空港(ケンタッキー州)に着きました。

 そこからホテルに到着したのが、現地時間の8日の夕方(時差は13時間、以下表記はすべて現地時間)。セリは10日の月曜日から始まるのですが、前日の9日の下見に向けて、到着してからは食事をしながらその打ち合わせを行いました。

 9日は、朝の8時半にホテルを出発して、帰って来たのが夕方の4時半頃。それまで昼食の時間以外はずっと、セリ馬を1頭1頭見て、みんなで相談しながらピックアップしていきました。

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▲セリ前日の下見の会場


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▲アメリカ全土から集まってきた上場馬を1頭1頭チェックして、競る馬を決める


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▲明日から始まるセリの会場


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▲馬が描かれた絵画の数々が飾られている


 というのも、キーンランドのセリ(Keeneland September Yearling Sale)は世界最大規模の1歳馬セリ市場です。敷地も広く、アメリカ全土から集まるので頭数も膨大。BookI(セリの最初の4日間に上場される1000頭のカタログ)のうち、初日に上場される約250頭から100頭ほどを事前にピックアップし、その1頭1頭の実馬を見て、実際に競る馬を決めていくという作業です。

 日本にいるときとはまた違う矢作先生の調教師としての仕事の部分を、早くもたくさん見させていただきました。

 後日、実際のセリが始まってからのレポートをお届けしたいと思います。これからどんな日々が待っているのか、僕自身も楽しみです。

(次回へつづく)

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