▲フィールシンパシーと福島牝馬Sに挑む横山琉人騎手(撮影:下野雄規)
昨年12月、若手騎手の登竜門と呼ばれるヤングジョッキーズシリーズで総合優勝を果たした横山琉人騎手。新馬戦から16度手綱を取り、コンビで4勝を挙げるフィールシンパシーと福島牝馬Sに挑みます。
これまで前走の中山牝馬Sは4着、昨年のターコイズSでは2着の実績も。デビュー4年目での重賞初制覇がかかる一戦になります。今回は長く乗っているからこそ分かる同馬の成長や、師匠・先輩との関係、重賞への心意気について伺いました。
(取材・構成:佐々木祥恵)
気性面が成長し「大人しく乗りやすい」
──まず4着だった前走の中山牝馬Sを振り返ってください。
横山 前走は久し振りの1800mでした。外枠(8枠15番)でスタンド前発走だったので、ゲート内で気持ちが入っていましたが、スタートはまずまずうまく出れました。内に1頭、ハナを主張してくる馬がいましたので、その馬を見る形で2番手から良い形で運べました。3コーナーから早めに動いた分、直線では苦しくなってしまいました。
──でも最後もうひと踏ん張りしたように見えました。
横山 そうですね。斤量に恵まれた面もあったとは思いますが。
──前走の振り返りでゲート内で気持ちが入っていたと仰っていましたが、そのようなことはよくあるのですか?
横山 ゲートの中で落ち着かなくてあまりスタートが良くないことはあります。ただ自在性がある馬なので、位置取りがいつもより後ろになってもこなせると思います。
──デビューから2戦を除いて、すべて手綱を取っていますが、どのようなところに成長を感じますか?
横山 以前は調教の馬場入り前に乗り手が替わる時やパドックでジョッキーが騎乗する時にビックリしたような動きをすることがありました。今はそのようなこともなく、大人しくて乗りやすいです。気性面で大人になったと思います。
▲昨年10月の紅葉Sを勝利してOP入り(撮影:下野雄規)
──フィールシンパシーを管理する小島茂之厩舎サイドとは同馬についてどのようなやり取りをしていますか?
横山 フィールシンパシーに関しては、担当の方がうまく仕上げてくれて、僕は追い切りに乗るだけという感じです。小島先生も担当者を信頼して任せているように思います。
師匠や先輩騎手、父との関係
──師匠の相沢郁調教師からはどのようなアドバイスを受けていますか?
横山 基本的に騎乗に関しては何も言わないですが、レースでうまく乗れなかったりした時に注意されます。
──メリハリをつけた指導といった感じでしょうかね。では兄弟子の石川裕紀人騎手からはどのようなアドバイスを?
横山 石川先輩は競馬学校時代から、質問したら何でも答えてくれて技術面などすべて教えてもらっています。優しい先輩です。
──お父様が障害中心に活躍された元騎手の横山義行さんですが、騎乗について話をすることはありますか?
横山 父は僕のレースに関してはノータッチと言いますか、僕自身の騎乗についての話はしないです。普通に競馬の話はしますけどね。
──昨年はYJSで総合優勝されて、今年はデビュー4年目を迎えましたが、ご自身で変わったなと思うところはありますか?
横山 1番は無事にレースを終えるということです。他の馬の邪魔をしたら人馬ともにケガをする可能性がありますし、安全な騎乗をより心がけるようになりました。
▲若手騎手の登竜門・YJSで総合優勝(撮影:下野雄規)
──安全に気を配りながらも、攻めの騎乗も求められますね?
横山 そうですね。経験を積んできて、攻めるべきか危険なのかの判断もできるようになってきたと思います。
──最後に今後の目標を教えてください。
横山 まだ重賞勝ちがないので、そろそろ重賞を勝ちたいです。フィールシンパシーは十分重賞を勝てる力があると思いますので狙っていきたいですね。
(文中敬称略)