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ハルウララが11年ぶりに主戦騎手と対面

  • 2015年07月20日(月) 15時00分
 7月19日(日)、千葉県夷隅郡御宿町にあるマーサファームに、かつてハルウララの主戦騎手だった古川文貴さんが訪れた。

 古川さんは、北海道から高知競馬場にやってきたハルウララの馴致から手掛け、113戦中、37戦の手綱を取っている。ウララに会うのはおよそ11年ぶりとなる古川さんは、現在は騎手を辞めて三重県で車関係の仕事をする傍ら、日本各地の草競馬を巡り、花形騎手として活躍しているという。

 この日、ヘルメットやブーツを持参した古川さんは、ウララの背に久し振りに跨った。感触を懐かしむかのように常歩で足慣らしをした後に、ダク(速歩)へとスムーズに移行し、やがて駈歩へ。気ままな性格のハルウララには、これまでマーサファームの宮原優子さんしか乗ったことがなかったが、ウララと元主戦騎手は、実に自然に人馬一体となって馬場を駈け回っていた。

 一緒に訪れた古川さんと競馬学校同期の粂川京利元騎手に「どう?昔の彼女は?」と質問されると「(競走馬時代は)物見が激しかったけど、今日は物見をほとんどせず、乗りやすかったです。こちらで可愛がってもらっているからだと思いますよ」と柔らかな笑顔で答えていた。

 19歳とは思えないほどの馬体の張りを目の当たりにし、ハツラツとした動きを馬上で感じ取った古川さんは、夢を語った。

「いつか高知競馬場で、ウララと一緒に馬場を一周したいですね」

 放牧に出されたまま、高知競馬場に姿を見せることなく競走馬登録を抹消したハルウララだけに、今一度「ウララは元気です」と高知競馬場のファンの前でお披露目したいという気持ちが、古川さんの中に湧き上がってきたのかもしれない。

 馬房に戻ったウララの前で、古川さんがつぶやいた。

「騎手時代に僕が乗った馬たちの中で生きているのは、多分ハルウララだけだと思います」

 競走馬に生まれたほとんどの馬が、天寿を全うできないという厳しい現実がある。それだけにこの言葉は、ずしりと胸に響いた。その横でハルウララは、首を上下させたり、左右に動いたりと、若々しい仕草を見せて若々しい様子を見せていた。

 これからもハルウララが御宿の地で末永く悠々自適に過ごせるよう願うと同時に、高知競馬場ハルウララ&古川さんの名コンビのお披露目が実現する日も心待ちにしたい。

(取材・写真:佐々木祥恵)

※同取材の詳細レポートは、後日、コラム『第二のストーリー』(毎週火曜日、18時更新)で掲載する予定です。

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