トウショウボーイ、
シスタートウショウなど、数々の名馬を送り出してきた名門
トウショウ牧場が、10月一杯で閉場した。同牧場で功労馬として余生を過ごしていた
トウショウボーイ最後の世代の産駒で
北九州記念(1998年)優勝の
トウショウオリオン(牡22)と、
クイーンC(1993年)など重賞3勝の
マザートウショウ(牝25)が、今回の閉場にともない、認定NPO法人引退馬協会のフォスターホースとなった。
トウショウ牧場から2頭の今後について相談を受けた引退馬協会は、「高齢の馬たちに極力負担をかけたくない」という牧場サイドの温かな配慮に触れ、フォスターホースとしての受け入れを決めたという。
2頭は10月26日に棲み慣れた
トウショウ牧場を出発。
トウショウオリオンが新ひだか町の本桐牧場、
マザートウショウが浦河町の渡辺牧場へとそれぞれ移動した。
「去勢されていない馬はなかなか難しいのですけど、本桐牧場さんは牡馬でも良いと言ってくださいました。
トウショウオリオンは、いまだお茶目なところがあるんですよね(笑)。環境が変わって寂しがるかなと心配したのですけど、到着してすぐ3周くらい馬場をガーッと回った後、ピタッと止まって隣の放牧地にいる繁殖牝馬にずーっと釘づけになってしまって(笑)。でもそのおかげで、寂しいという気持ちが頭から飛んだみたいで、良かったなと思いました。
オリオンが鳴くので、さすがに本桐牧場さんも繁殖牝馬を別の放牧地に移動させていましたけどね。
マザートウショウは25歳と高齢ですし、馬たちとの相性などもあるでしょうから、そのあたり安心してお任せできる渡辺牧場さんにお願いすることにしました。放牧パートナーは、あまり強くないタイプの牝馬を選んでいただいたのですけど、放牧して少し時間がたったら2頭並んで草を食べていました。
トウショウオリオンは無駄な動きをしませんし、見ていてとても賢い馬だと思いました」
と2頭の移動に立ち会った引退馬協会の沼田恭子代表は、ホッとした様子だ。
移動してからおよそ2週間経つが、2頭は新天地での生活にもすっかり馴染んで、すこぶる元気に日々を過ごしている。
なお引退馬協会では、この2頭のフォスターペアレント(里親)を募集中だ。残口数にはまだ余裕がある。里親として2頭の今後を支えたい、あるいは引退馬の余生等に関心のある方は、引退馬協会までお問い合わせいただきたい。
(取材:佐々木祥恵)
※引退馬協会では、たくさんの人で1頭の馬を支える「フォスターペアレント制度」というシステムで引退馬の余生を支援しており、直接の支援者である里親を「フォスターペアレント」、養っている馬を「フォスターホース」と呼んでいます。フォスターペアレントになると、月額会費1000円、馬の維持管理費費が2000円(0.5口)〜、がかかります。複数口を持つことも可能です。
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