6月14日に5日間開催の幕が上がる、王室主催の「
ロイヤルアスコット」だが、残念ながら良馬場での施行は絶望的な状況となっている。
アスコット競馬場一帯を、10日(金曜日)夜に
サンダーストームが襲来。この地域におけるこの時期の1か月の平均雨量が40ミリであるのに対し、10日の午後6時30分から7時30分の1時間に降った雨量は20ミリで、月の降雨量の半分が1時間で降るという豪雨であった。
この結果、
アスコットの馬場は、直線コースが“Good to Soft(=稍重)”、周回コースが“Good to Soft, Soft in places(稍重、場所により重)“と、日本の水準に当てはめれば相当に渋った状態に悪化している。
アスコット一帯は12日(日曜日)も雨が降り、週明けもカラっとは晴れずに、にわか雨の予報も出ていることから、水はけの良い
アスコットの馬場でも、道悪は避けられない情勢だ。
そんな中、不良馬場となった前走のGIイスパーン賞(芝1800m)を圧勝した
エイシンヒカリ(牡5、
父ディープインパクト)を「道悪巧者」と診たブックメーカー各社は、GI
プリンスオヴウェールズS(芝10F)へ向けた前売りでますます同馬の評価を高くしており、大手のウィリアヒルは1.8倍、
コーラルも1.9倍と、遂に2倍を切るところまで単勝オッズを下げてきている。
(文:合田直弘)