今年、数年ぶりにセレクトセールの取材に出向いた。そこで感じたのは外国人バイヤーの多さ。カナダ人のチャールズ・フィプケ氏が「
トップライナー215」(牝)を1億2500万円(税抜き)で落札するなど、外国人バイヤーのほとんどは
ディープインパクトを筆頭とする
サンデーサイレンス系の血統馬に食指が動いていた。
日本調教馬を除き、日本で現役生活を送った種牡馬の産駒が世界のG1を制した例は少ない。
ビューティーパーラー(英国)はデビューから4連勝で12年仏1000ギニーをV。
ディープインパクト産駒の海外G1初制覇を達成した。他では
ディヴァインライト産駒の
ナタゴラ(仏国)が英国でG12勝をマークし、
ハットトリック産駒のダビルシム(仏国)もG12勝を挙げ、11年にフランスの
年度代表馬に選出された。これらの種牡馬に共通するのはサンデー系であること。世界がサンデー系の血を求めるのはうなずけるが、そうなると、非サンデー系種牡馬が海外で活躍する姿を見たくなる。
今年のセレクトセールで取材した洪國興氏は、香港で馬主資格を保有している。お目当ては1歳馬セールに初登場となった
ロードカナロア産駒だ。「
マルカサワヤカ15」と「
モントレーストリート15」の2頭を購入した。
ロードカナロアの父は
キングカメハメハ。
ディープインパクトとともに日本を代表する種牡馬であり、非サンデー系でもある。「
ロードカナロアは香港で有名な馬。その子どもは欲しいと思っていた。どこで走らせるかは分からないが、香港の可能性はある」と洪氏。通算成績19戦13勝、国内外のG16勝をマークした
ロードカナロアなら世界に通用する子どもを輩出する可能性はある。日本はサンデー系だけではない。世界にそうアピールするためにも、来年、デビューする
ロードカナロア産駒には頑張ってもらいたい。(デイリースポーツ・小林正明)
提供:デイリースポーツ