第155回
天皇賞(春)から一夜明けた1日、連覇を果たした
キタサンブラックは栗東トレセンの自厩舎で静養していた。
清水久詞師によれば、今朝の様子はいつもと変わりないとのこと。
「ただ、昨日は3200mをレコードで走った直後だったので、さすがに疲れていましたね。レース後の馬房ではピタリとも動かずにジーッとしていましたよ」
しかし、
キタサンブラックはレース後の回復が早い。
「余計なことをしないので無駄な消耗がないんです。追い切りもある程度やりましたが、本人はそれほど堪えてないですしね。タフな馬です」
食欲もしっかりあり、清水師が好物の
ニンジンを与えるとすぐさま食らいついた。
「ね、元気でしょ(笑)」
次走は
宝塚記念の予定。
「今週中にリフレッシュ放牧に出します。春のGIタイトル3つ目の挑戦となりますが、もし3つ勝てたらすごいですね。自信を持って行こうと思っています」
凱旋門賞(10月1日、芝2400m、仏・
シャンティイ競馬場)の可能性については「
宝塚記念での状態を踏まえて、無事ならばかなり濃厚になってくる」とのこと。
前哨戦については、今のところ「フォア賞(9月10日、G2、芝2400m、仏・
シャンティイ競馬場)か、アイリッシュチャンピオンステークス(9月9日、GI、芝2000m、愛・レパーズタウン競馬場、注:
大阪杯優勝で優先出走権を確保)、または日本で走って海外での前哨戦なし」のプランを考えているという。
キタサンブラックは、いまや知名度も実力も歴代の名馬と比べても遜色ないくらいまでに上り詰めた。「こんな馬とは出会えないです」清水師は感慨深く、そっとつぶやいた。
(取材・写真:花岡貴子)