先月23日、ギャンブル依存症対策を検討している民進党の作業チームが、競馬場などに未成年者が入場できないようにする施策の実施などを国や自治体に求める法案の原案をまとめたとの報道がされた。競馬業界の実情と照らし合わせると、内容としては容認しがたいものである。
カジノ推進を目指す政府はいや応なしに依存症対策を迫られ、既存の公営競技やパチンコが
ターゲットになった。政府・与党は今国会で依存症対策法案を、できれば野党も巻き込んで処理し、カジノへの否定的世論を沈静化させる思惑があった。だが、民進党内では、与党ペースには乗れないとして、独自の法案提出に動いた。
そこで先月30日に出てきた民進党法案にて、「事業場(パチンコやカジノ、競馬場など)への未成年者の入場制限」が、検討項目として示された7項目の中で生き残っている。
パチンコ店やカジノは、賭け以外の機能がない。一方で、競馬は観戦型スポーツとして地位を認められている。競馬の大レースをNHKが地上波で全国中継しており、競馬にスポーツとしての価値を認める暗黙の社会的合意が存在しているのは明らか。また競馬では、未成年の騎手がごく当たり前にレースに騎乗している。
一律的な「事業場への入場制限」は、パチンコやカジノ、競馬場等の業態ごとの実情を無視した大きな誤りであり、現実を知らない机上の空論と言うべきである。
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