「
凱旋門賞・仏G1」(10月1日、
シャンティイ)
輝きを取り戻しつつある。日の丸を背に挑む
サトノダイヤモンドが27日、
シャンティイ調教場のエーグル芝周回コースで併せ馬を行い、1馬身の先着を決めた。陣営が最大の焦点として挙げた息遣いも改善し、ムードは上昇中。フォワ賞4着からの大逆転劇を狙う。なお、27日に出走馬がほぼ確定(現在20頭がエントリー)。きょう28日の出走取消締切後に騎手と出走馬が決定する。
モヤに覆われたエーグルの芝周回コースで、2頭のサラブレッドが輪郭を明らかにしていく。公開調教に詰めかけた約50人の報道陣に取り戻した輝きを見せつけるべく、
サトノダイヤモンドが内から末脚を伸ばした。最後に
サトノノブレスをとらえてフィニッシュ。鞍上のルメールがしっかりと負荷をかけつつ、1馬身の先着で最終リハを終えた。
「7Fの追い切りでノブレスを3〜4馬身ほど後ろから追走。ラスト300メートルで馬体を併せ、200メートルで加速の指示です」と池江師は語った後、率直な感想を漏らした。「フォワ賞の方が馬場は良く、反応と加速も良かったですね。きょうはかなり走りづらそうだったので」と振り返る。
それでも悲観の色はない。陣営にとってのテーマはただ一点、息遣いの改善だったという。「前走はとにかく息遣いが良くなかった。今までに全くない症状。喘鳴症(ノド鳴り)か、喉の炎症か分からず、内視鏡検査もした。でも重篤な病気ではなかった」とフォワ賞における“敗戦の真実”を初めて公の場で口にした。
日本の誇るトップトレーナーは経験を知識をフル活用。中間はタンビット、ノースバンドといった特殊馬具を組み合わせるなど試行錯誤し、この日はフィギュアエイト鼻革のみで追い切りを敢行。喉頭蓋を押さえ込む“新兵器”を駆使した結果、「かなり改善されたね。だいぶ良くなっている。本番もこれでいきます」と手応えをつかんだ。
プライドを凝縮して磨き上げたダイヤモンド。残る大きな壁として立ちはだかるのは天候だ。「きょうが(ペネトロ
メーター=馬場硬度計測器で)3・5。これより悪くなると、走りづらいはず」とトレーナーは好走への基準を設ける。4着に完敗したフォワ賞が3・7。「雨は降ってほしくない」。悲願のVへ、人事を尽くして天命を待つ。
提供:デイリースポーツ