朝日杯FSと
ホープフルSに有力馬が分散する牡馬と違って、牝馬路線はほぼ一本道。2歳冬の時点で多くの有力馬が早くも一堂に会する。舞台は
桜花賞と同じ阪神の1600m。牝馬の重要レースは何回もこの条件で繰り返されるが、時期の違いによって微妙に色合いが異なってくる。阪神JFの特徴を端的にいうならば「この時期の2歳牝馬にとって阪神マイルはタフなコースである」ということになる。
1.厳しい条件の経験が活きる
昨年1着の
ソウルスターリングはそれまで芝1800mで2戦2勝。一昨年の勝ち馬
メジャーエンブレムはそれまでの3戦、すべて直線に坂がある東京・中山を使われていた。阪神JFを勝ち切るためには、タフな条件での好走歴があることが望ましい。
2.
ファンタジーSと
アルテミスSの勝ち馬は不振
過去10年で
ファンタジーSを勝った馬の当レースでの成績は[0.1.0.7]。
ファンタジーS組では2、3着だった馬の方が[1-1-3-8]と好成績を収めている。また、2012年に創設された
アルテミスSの勝ち馬も当レースでは[0-1-1-3]と未勝利。この時期の牝馬が短期間に重賞を連勝することは簡単ではない。
3.距離延長
ステップは難しい
過去10年間で、前走で1400m以下の距離を使われていた馬の成績は勝率2.0%、連対率6.1%。距離短縮
ステップは勝率・連対率23.1%、前走1600m組は勝率7.2%、連対率15.9%だから、距離延長で臨む馬にとってハードルが高いレースであることは明白だ。
ロックディスタウンは
札幌2歳Sの勝ち馬。牝馬で札幌芝1800mの
札幌2歳Sを勝ったのはこの馬が初めて(2013年の
レッドリヴェールは函館開催)。高速馬場の新潟・洋芝最終週のタフな札幌と両方の路面をクリアー、しかも中3週で長距離輸送を挟んでの強行軍だった。タフさと経験値では他馬を凌駕していると言っていい。初コースなど課題はあるが、落ち着いてレースに臨めればまず勝ち負けになるものと見る。