「
日本ダービー・G1」(27日、東京)
いざ、6955頭の頂点へ-。4戦無敗の2歳王者
ダノンプレミアム(牡3歳、栗東・中内田)が、いよいよ府中決戦に乗り込む。断然の人気を背負うはずだった
皐月賞は、右前挫石により無念の回避となったが、立て直された今回は着々と準備が整いつつある。主戦を務める
川田将雅騎手(32)=栗東・フリー=に、相棒に対する思い、大一番への意気込みなどを語ってもらった。
◇ ◇
-いよいよダービーウイークに突入。4戦無敗の
ダノンプレミアムだが、
皐月賞は右前の挫石が判明して回避した。
「無事が一番です。それを改めて痛感しました」
-1週前追い切りに騎乗した。
「1週前としてはしっかりとやれました。
皐月賞の1週前はやれなかったですから。ホッとしています」
-改めて前走の
弥生賞を振り返って。
「パドックで
テンションが高かったです。たくさんのお客さんが1番人気馬に視線を送る、中山のパドックは独特な圧迫感があるんです。そういった空間を経験できたのも良かったと思います」
-強い勝ち方だった。
「コーナー4つの2000メートル。初めてのことにどう対応できるのか、と。
テンションが高く、レースでも前向き過ぎても、あの競馬ができたのはホッとするし、いい経験になりました。まだ幼いですから、もっと良くなる。成長している最中という印象です」
-昨年は
朝日杯FSをレースレコードで勝ち、JRA最優秀2歳牡馬を受賞。自身にとって
ダノンプレミアムとは。
「これだけ成長する馬に乗ったことがないので。新馬から負けずに、これだけ体重も増えて成長を伴いながらというのは初めての経験。ボクの中にない物差し。新しい物差しをつくってくれています」
-ダービー当日は落ち着きが鍵に。
「賢い馬なので、
テンションが上がるのも周りの期待を感じているからだと思う。自分がやらないといけない仕事に一生懸命過ぎるから、そういう形で出る。教えていけばオンとオフがつくれるようになるでしょう」
◆中内田厩舎が主戦として起用するのが川田。騎乗数は2位以下を大きく離している。
-
中内田充正調教師との関係は。
「小学校6年の時でした。(川田の父が調教師を務める)
佐賀競馬場で、中内田先生のおじいさんから『ボーズ、馬に乗りに行くか?』と言われたんです。この時、新幹線に初めて乗って、栗東トレセンを見せていただいて、坂路とかも説明してもらいました。中内田家に2、3日泊めてもらったんですよ。信楽牧場(滋賀県甲賀市=中内田師の実家)に滞在させてもらって、馬に乗せてもらった。乗るうちに、引っ掛けられる(馬に持って行かれる)距離が短くなったのを覚えています。モンキー乗りも見よう見まねでしたね」
-それで師とも親しくなった。
「その時からなので、初めて先生に出会ったのは今から21年前ですね。“みーくん”とか“みー兄ちゃん”って呼んでいました。中学校3年の夏休みは1カ月間、中内田家で過ごさせてもらって、馬に乗っていました。みーくんのベッドで寝させてもらっていました。みーくんは床に布団を敷いて寝ていて。優しかったですね。(佐賀に)帰りたくなかったのも覚えています。(中内田師が)留学したときは、
エアメールで文通してましたよ(笑)。おじいさんが『馬、乗りに行くか』って言ってくれていなかったら、この縁はなかったと思う。中内田先生と知り合いになって、いろんな人たちと知り合うことができました」
-自身にとってダービーとは。
「ダービーだから何度も勝ちたいというわけではないですね。全部勝ちたいですから。それがボクの仕事なので。ただ、ダービーは毎年参加したいと思うG1。18頭の中にいることが、ジョッキーとして大事なことだと思います」
-今の思いを。
「このまま何事もなく当日を迎えてくれたら。一日一日を無事に。その思いが強くなっています」
提供:デイリースポーツ