昨年、鳴り物入りで産駒がデビューした6冠馬
オルフェーヴル。初年度産駒から
皐月賞馬
エポカドーロや、
阪神JFを制した
ラッキーライラックを輩出し、まずは期待通りの立ち上がりを見せたといっていいだろう。
15年度に生産された産駒の勝利数は“38”(6月25日時点)。種牡馬として同期の
ロードカナロアが挙げた73勝には水をあけられているが、G1などの大舞台ではラ
イバルに負けず劣らずのインパクトを残した。
初年度の産駒成績が示す通り、現時点では“三振か、ホームランか”の印象が強い。6月17日の阪神2Rを大差で逃げ切った
ダノンフォワード(牡3歳)のように、初ブリンカー&初ダートでガラリ一変する産駒も見受けられる。そのあたりを現役時代の
オルフェーヴルが調整に使っていた滋賀県ノーザン
ファームしがらきの松本康宏場長に分析して頂いた。
「オルフェ自身も現役時代はヤンチャでしたが、やはり産駒も父に似ているところはありますよね。気が悪いというより、我が強い印象です。産駒の能力はあると思います。ただ、それをレースに行って発揮できない馬も多く見受けられる現状です」
産駒(現2歳世代を除く)の距離別成績を見ると、芝の千二〜千四は37戦1勝(勝率2・7%)にとどまるが、芝の千六〜二千では315戦24勝(勝率7・6%)と数字を上げている。「イメージ以上に産駒のスタミナはあります。そのあたりは母系に入っている
メジロマックイーンの血でしょうね」。牡馬の代表格
エポカドーロは、
皐月賞Vからダービー2着と距離を延ばして素質を開花させた。今後も長距離路線で新星が台頭してくるかもしれない。
今年の2歳世代では
ジャミールフエルテ(牡)と
ショウリュウイクゾ(牡)が早々と初勝利をマーク。2年目シーズンは初年度以上に駒がそろっている印象だ。松本場長は「いずれは(父子2代での)三冠馬が出ると思いますよ。それくらいポテンシャルのある種牡馬です」と、さらなる活躍を約束した。将来は父子2代にわたる三冠制覇か、父が成し得なかった
凱旋門賞Vか-。
オルフェーヴルから“最強の遺伝子”を受け継ぐ怪物2世の誕生を期待して待ちたい。(デイリースポーツ・刀根善郎)
提供:デイリースポーツ