函館シリーズの締めくくり、世代最初の2歳重賞。かつては時計が掛かる決着になることが通例だったが、2012年から開催が短縮されたことによって、馬場が良好な状態のまま最終週を迎えるようになっている。
函館2歳Sもここ数年は1分10秒前後の速い時計での決着が続いている。
1.上がり3F1位が能力の証
最近10年間の勝ち馬のうち7頭までが、前走での上がり3Fの数字がメンバー中1位だった(2着馬も10頭中7頭)。この時期の1200戦における上がり3Fの数字は、どれだけ余力を残していたかの証明でもある。2014年1番人気で5着に敗れた
マイネルエスパスは、新馬を圧勝しながら上がり3Fは3位だった。
2.差す競馬の経験が重要
過去10年間で逃げた馬の連対は2014年の勝ち馬
アクティブミノルだけ。また「前走で逃げていた」という馬の連対も6頭にとどまる。最終週ということもあって差し馬有利の傾向があり、すでに差す競馬で結果を残している馬のほうが信頼感がある。
3.人気決着の傾向が強まる
単勝10倍以上の馬が勝ったのは、重馬場で1分13秒台の決着になった2007年の
ハートオブクィーンが最後。以降の年はもっとも勝ち時計が遅かった年でも1分11秒2で、勝ち馬の人気は順に[2・1・2・2・3・1・4・1・2・1](札幌開催の2009年を含む)。
カルリーノは2戦目の勝ち上がりだが、2戦ともにメンバー中最速上がりをマークしている。勝った未勝利戦は稍重馬場ながら前半600mの通過タイムが34.1秒。これは今夏の函館の2歳戦でナンバーワンの数字で、勝ちタイムも第2位。今夏の函館で屈指のハイレベル戦を完勝しており、到達点は高い。キャリアとレースセンスに注目したい。
人気どころなら
ナンヨーイザヨイ。
カルリーノを新馬戦で降しており、持ちタイムはナンバーワン。ただ、トビのきれいな馬だけに荒れた馬場に対応できるかが鍵になる。