「
スプリンターズS・G1」(30日、中山)
ディープインパクト産駒の6歳馬が、いよいよ開花の時を迎えた。夏のス
プリント王
アレスバローズが秋の大一番に臨む。
28日の朝は栗東坂路で4F67秒3-16秒3と軽めの調整。「落ち着きはある」と角田師はうなずく。以前はイレ込みがきつく、10日競馬(トレセン入厩後、ルール上最短の10日で競馬を迎える)に厩舎装鞍など、何かと手のかかる馬だったが、「精神面が成長した。ようやくたどり着いた」と目下の充実ぶりを伝える。
「前に行く馬も多いし、中山で内があくことはない。真ん中よりも外めの枠が欲しい」。枠順発表前にこう話していた指揮官。自身は騎手時代の95年に
ヒシアケボノで当レースを制し、調教師転身後も14年から3年連続で
ベルカントを送り込んでいる。多くの経験則から、外枠を希望していたが、引き当てた枠は内めの3枠5番…。
少し表情を曇らせたものの、師は冷静に受け入れる。「ジョッキーに任せるしかない。極端な枠じゃなくて良かった。あとは天気がどうか。稍重までなら持ち味を生かせる。馬場状態によっては内で良かったと思うかもしれないし。スムーズなら内が有利だから」。この“スムーズ”がポイント。インを突いた前走Vは「たまたまあいただけ」と本意でないようで「
CBC賞の競馬が理想」と、直線入り口で外に持ち出した2走前の再現を描く。遅咲きでも勢いは一番。決め手を生かして頂点をつかみ取る。
提供:デイリースポーツ