「
天皇賞(秋)・G1」(28日、東京)
軽快な動きで不安を一掃してみせた。昨年のダービー馬
レイデオロが24日、美浦Wの併せ馬で余裕の手応えのまま先着を決めた。17日の1週前には、直線半ばで急ブレーキをかけ、追い切りを中止するアク
シデント。調整の狂いが心配されたが、関東のトップトレーナー・藤沢和師は「不安なし」を強調した。G1・3連勝が懸かるルメールを背に、ダービー以来となる
ビッグタイトルを狙う。
やや太め残りだった腰回りは、完全にシェイプアップされている。“アク
シデント”の不安を完全に払しょくして、いざ最も得意とする府中へ。
レイデオロが出陣だ。
ルメールを背に美浦Wへ入ったのは1回目の馬場整地明け。
ドラゴンストーム(6歳障害未勝利)を先に行かせて、ぴったり1馬身の間合いを取った。直線は内へ。鞍上の合図に素早く反応して加速に転じると、四肢の回転を上げて流れるように並び掛ける。ゴールではきっちりと半馬身先着を決めて、5F67秒9-38秒2-12秒7をマーク。手応えにはまだ余裕があった。
藤沢和師は仕上がりに満足そうだ。「使って気合も入っていた。ヤル気が出ているね。前走時は調教ではあまりピリッとしなかったからね」。馬体面の絞り込むべき余地をなくしたことで、気持ちも前向きになってきた。
17日は歩様が気になったため、直線で止めて1週前追い切りを中止(その後に下馬)。調整の狂いが心配されたが、「馬場が思った以上に深くて、手前を変えたところで
バランスを崩した。それで乗り手(五十嵐)がやめたけれど、(検査の結果)問題はなかった」とトレーナーは深刻には考えていない。
「日曜(21日)に坂路で時計を出したし、きょうはスムーズに回ってくるようにという併せ馬。ジョッキーにもいつもの追い切りのように残り2Fを併せるように言ったよ」と泰然自若。最終追いでハードに追う必要がなかったのは、運動量としては足りているからだ。
「ここまでは間をあけて大事に使わせてもらったが、今回は(中4週と)間隔を詰めて使う。やりやすかったし、動きにも満足している。一番向いている距離とコース。力を試すいい舞台ですから」。自分の馬が強い-その自信が、名伯楽の言葉の端々に表れていた。
提供:デイリースポーツ