「クイーンCの時は馬がイライラしてたけど、今回は中2週でも落ち着きがあり、カイバ食いもバッチリ。追い切りの感触も抜群だったからレースが楽しみです。うん、今週はカーニバルだな、カーニバル!」
オークス当該週にこう語ったのは
カレンブーケドール担当の中村雄貴助手。まさか大一番でクビ差2着の大接戦を演じるとは想像していなかった。威勢の良さならキュウ舎一という彼のキャラクターもあるが、クイーンC(4着)で
クロノジェネシスとの上がり差(0秒5)は致命的と判断してしまったからだ。だが、終わってみればディープ産駒のワンツー。改めて血の偉大さを痛感した次第である。
さて、その意味で今週の
日本ダービーもディープ産駒の
皐月賞3着馬
ダノンキングリーは要警戒かもしれない。前出
カレンをアタマ差で負かした新馬戦も妙に運命的なものを感じてしまうのだが…。一方でどうしても捨てきれないのは、
皐月賞でも本命を打った
ニシノデイジー。結果は17着の大惨敗だったが、失うものがなくなった今回は大きな反発がありそうな気がするのだ。
「
皐月賞も1角まではうまく折り合いがついて“いいな”と思っていたんですけどね。その後にハミを取りだしてからは終始かかり気味に…。まさか掲示板を外すとは思っていなかったし、自分の指示も甘かったかも。今回は内に入れて、思い切って抑える形でレースをしてもらうつもり。今の高速馬場がどうかだけど、中途半端な競馬はせず、しまいにかけるしかないと思うんですよ」
1週前にこう語ったのは同馬を管理する
高木登調教師。
ニシノデイジーにあって、
皐月賞上位馬に唯一ないもの。それは今回で8戦目という豊富なキャリアだろう。何が良くて何がダメなのか。それがハッキリしただけでも
皐月賞の価値はあったように思う。
「調整は本当に順調にきたし、まともならあんな負ける馬ではないはず。中間は馬具も試したりしているので、この馬らしい姿を見せられれば」とは担当の高森裕貴キュウ務員。東スポ杯では
ヴェロックスに先着し、
ホープフルSの上がりは
サートゥルナーリアとイーブン。当時の走りを取り戻せば、アッと言わせる可能性はまだ残されている。
(美浦の宴会野郎・山村隆司)
東京スポーツ